生物有機化学(5C選択科目)
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科目名:生物有機化学(英文科目名:Bioorganic Chemistry)
2単位 選択 物質工学科5年 通年 講義
担当教官:
胸組虎胤(居室:物質工学科実験棟2階)Tel:0285-20-2800
E-mail: munegumi@oyama-ct.ac.jp
授業目的:
1. 天然酵素の化学構造と反応の仕組みについての理解を深める。
2. 天然酵素を模倣した人工酵素の分子設計の基礎について学ぶ。
達成目標:
1. 一般酸、一般塩基の概念について説明できること。
2. 酵素の活性中心にある基質結合部位、触媒部位の働きについて説明できること。
3. 分子認識に必要とされる作用と化学構造との関係を説明できること。
4. 代表的な酵素(少なくとも5種類)の触媒機構を説明できること。
5. 人工酵素設計の基礎を説明できること。
技術者教育プログラムの学習・教育目標:(B-3) (C-1)
JABEE基準1の(1)との関係: (b)(d(1))(e)
カリキュラム中の位置づけ
本科目と関連ある前年度までの履修科目:生物化学、有機化学、酵素工学氈C
本科目と関連のある現年度の科目:食品化学、生物資源工学、細胞遺伝子工学
教科書:小宮山、八代著、「生命化学I」(丸善)
参考書:田宮 他訳「ヴォート生化学(上)(下)」東京化学同人(1992)
キーワード:
タンパク質、酵素、人工酵素、反応機構、酵素モデル、一般酸塩基触媒
授業内容:
(前期)
1.生体分子の構造と機能(2週):タンパク質、脂質、核酸、糖質
2.触媒作用の基礎(2週):一般酸触媒、一般塩基触媒、ブレンステッド則
3.生体反応と分子間力(2週):クーロン力、水素結合、分子間力、疎水結合
4.酵素の構造と機能(2週):基質結合部位、触媒部位
5.前期中間試験(1週)
6. 酵素反応の動力学(2週):ミカエリスメンテンの式、反応速度、動力学パラメーター
7. 代表的な酵素の触媒作用(2週):セリンプロテアーゼ、リボヌクレアーゼ、リゾチーム
8. 酵素の固定化とその利用(2週):固定化のメリット、酵素固定、細胞固定、微生物固定
前期期末試験
(後期)
1. 補酵素(2週):ビタミンと補酵素、ピロドキサール、ATP
2. 金属イオンと金属錯体の化学の基礎(2週):金属イオンと生体分子、配位子交換
3. 金属酵素(2週):カルボキシペプチターゼ、カルボニックアンヒドラーゼ、
4. 分子内反応と分子内触媒作用(2週):分子内触媒、分子間触媒、分子配向、エントロピー、エンタルピー
5. 後期中間試験(1週)
6. 協同触媒作用(2週):分子内での協同触媒、
7. 人工ホスト化合物(2週):シクロデキストリン、クラウンエーテル、シクロファン
8. 人工ホスト化合物と人工酵素の応用(2週):包摂化合物、人工酵素、光学分割
学年末試験
各達成目標に対する達成度の具体的評価法:
試験での関連問題と課題成績の合計が60%以上の成績で達成とする。
成績評価方法:
試験(年4回):100 x 4=400点; 課題2回:100 x 2=200
学年の成績は上記の合計点(満点600点)を分母として獲得した点数を割り、100を乗じた点数とする。
定期試験は90分間とし、参考書、コピー、携帯電話、電卓、ノート、メモの持ち込みは不可。
学生へのメッセージ:
課題は確実に行うこと。理解が困難な場合は、その都度相談に応じる。
講義を中心とする。学習の達成度は、中間試験の結果で知らせる。講義時間以外でも質問がある場合は応じる。
本人の欠席等により授業内容を理解できなかった場合の補講は行わない。中間期末の再試験は行わない。
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