科目名:細胞・遺伝子工学 (英文科目名: Cell and Genetic Engineering)
2単位 選択 物質工学科 5年 通年
担当教官:佐々木いづみ(居室:電子・物質棟3階)
Tel:0285-20-2811
E-mail: sasaki@oyama-ct.ac.jp
授業目的:
1. 遺伝子工学の基礎となる分子生物学への理解
2. 遺伝子工学の基本的な原理と操作への理解
3. 遺伝子工学に関する基礎的知識の習得
達成目標:
1.DNAとRNAの構造上の違いについて説明できる。
2.真核生物と原核生物との違いについて説明できる。
3.cDNAの合成やPCRなどの原理について模式図を描いて説明できる。
4. 組換えDNAまたは遺伝子のクローニングを行うとき、その基本操作の流れを簡単に説明できる。
技術者教育プログラムの学習・教育目標:(A-1)
JABEE基準1の(1)との関係: (d(2-a))、(g)
ハ
カリキュラム中の位置づけ
この科目を学ぶために、前年度までの履修科目で本科目と関連性のある科目
物質工学入門、生物化学、微生物工学、酵素工学氈A
現学年でこの科目と関連性のある科目
生物資源工学、食品化学、生物工学実験
次年度以降に学ぶ、この科目に関連性のある科目
タンパク質ペプチド工学、生体エネルギー論、代謝生理学、生物化学工学、
免疫工学
ハ
教科書: B.Lewin「遺伝子」(2002)東京化学同人
参考書: さらに勉強したい方に
山本雅「基本から先端までの遺伝子工学がわかる」羊土社(2001)
G.M.カーターら「知っておきたいDNA、遺伝子、遺伝子工学の基礎知識」Takara(2001)
授業内容:
前期
1. 細胞の構造と構成成分—細胞の機能、細胞構成する小器官の構造と機能、真核細胞と原核細胞—(2週)
2. 染色体・遺伝子の構造—染色体、ゲノム及び遺伝子の構造、DNAの構造と性質、RNAの構造、ウイルス遺伝子—(2週)
3. 遺伝子の発現とその調節—セントラルドグマ、DNAの複製、転写、翻訳、遺伝子発現の調節—(4週)
4. 遺伝子操作法—DNAの調製、mRNAの調製、cDNAの調製、ベクターDNAの調製、DNA組換え実験に用いられる酵素群—(3週)
5. ベクターープラスミドベクター、バクテリオファージベクター、コスミドベクターー(2週)
6.ポリメラーゼチェイン反応—PCRの原理、RT-PCRなど各種のPCR法—(2週)
後期
7.遺伝子クローニングーDNAクローニングの基本操作、目的とする遺伝子クローンの選択と同定法、真核生物のタンパク質をコードするcDNA断片のクローニングー(4週)
8.遺伝子の解析—制限断片長多型(RFLP)、塩基配列の決定法—(1週)
9.発現ベクターによる生産—組換えタンパク質、大腸菌における発現ベクター、大腸菌以外の発現ベクター—(2週)
10.動物の遺伝子操作—トランスジェニック動物、遺伝子導入法、ES細胞、クローン動物の作製—(3週)
11.植物における遺伝子工学—導入ベクターの構成、遺伝子導入法、トランスジェニック植物の利用—(2週)
12.単クローン抗体—免疫機構、抗体の構造、細胞融合、マウス単クローン抗体産生細胞の調製—(3週)
評価方法:
評価は前期末試験と学年末試験それぞれ50点を満点とし、両者の合計点を最終成績と
します。
連絡事項:
1. 授業方法は基本としてテキストに沿って講義を中心とし、内容に応じて随時補充プ
リントを配布します。また、学習状況を把握するため時々演習問題を出し回答の提
出を求めます。
2.授業中しっかりとノートをとり配布したプリントは授業に必ず持参してください。
3. 前回の授業内容をその都度しっかりと復習し、理解したうえで、次回に臨んでください。
4.中間テストは行わず、前期末試験と学年末試験を実施します。
5.普段の生活中、遺伝子工学に関する話題に興味をもってほしい。