化学装置工学(コース必修科目)                    2005年度

 

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科目名:化学装置工学(英文科目名:Chemical Engineering for Mechanical Unit Operations

    2単位 選択 物質工学科4年 通年 

担当教官:吉田裕志 (居室:電気・物質棟3階)

    Tel: 0285-20-2808    E-mail: yoshida@oyama-ct.ac.jp

授業目的:

1.     化学工業および関連工業における粉体粒子の係わりとその工業的意味の理解

2.     各種工業における粉体粒子を取り扱う装置の機械的単位操作についての理解

3.     機械的単位操作およびその装置設計のための基礎的知識の習得

4.     装置設計のための基本理論の計算を通しての理解と実際の装置への応用の認識

達成目標:

1.     各種物理量の単位とその換算、流動および伝熱操作に関する化学工学基礎の計算ができる。

2.     固体材料の乾燥機構および乾燥プロセスについて説明できる。

3.     粉体粒子の大きさ、形状および粉体粒子群の平均径や粒度等の基本的な物性評価法について説明できる。

4.     装置内の流体中の粒子の運動現象の基礎的事項として、粒子の流体中における沈降終末速度について説明できるとともに計算によって求めることができる。

5.     装置内の粒子層を流れる流体の運動現象の基礎として、固定粒子層中の透過流動現象の解析法が説明できるとともに、粒子層中の透過流速を計算して求めることができる。

 

技術者教育プログラムの学習・教育目標:(A-2, (B-2)

JABEE基準1の(1)との関係:(c),(d(2-a)

 

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カリキュラム中の位置づけ

 この科目を学ぶために、前年度までの履修科目で本科目と関連性のある科目

    化学工学、物理化学、工学概論

現学年でこの科目と関連性のある科目

なし

次年度以降に学ぶ、この科目に関連性のある科目

    プロセス工学、工業化学、分離工学、生物化学工学

 

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教科書:井伊谷鋼一、他「化学工学通論U」朝倉書店(1995

参考書:白戸紋平「化学工学−機械的操作の基礎」丸善(1980

    

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キ−ワ−ド:

  乾燥速度,含水率,粉体粒子,粒子径,粒子形状,粒度分布,粒子レイノルズ数,沈降終末速度,

固定層,流動層,透過流動現象

 

授業内容:

1.     化学工学基礎と計算−ケミカルエンジニアリングとは、物理量、単位と換算、流動、Bernoulli の式、Poiseulleの式、伝導伝熱、Fouriorの式、対流伝熱、伝熱係数−(3週)

2.     乾燥機構と乾燥プロセス−含水率、乾燥機構、乾燥特性曲線、恒率乾燥速度、減率乾燥速度、湿り空気、湿度と湿度図表、乾燥装置、連続乾燥装置の操作−(5週)

3.     粉体の基本的特性−粉粒体、粉体の定義、粒子径と表面積、サブミクロン粒子、コロイド粒子−(2週)

4.     粉体の粒度と測定−粒子径、代表径、平均粒径、重み付け平均径、形状、形状係数、粒度分布、対数正規分布、Gaudin-Schumann分布、Rosin-Rammler分布、粒度測定法−(5週)

5.     流体中の粒子の運動の基本法則−単一粒子の運動、粒子群の運動、抵抗係数、粒子レイノルズ数、抵抗係数と粒子レイノルズ数の関係−(2週)

6.     単一粒子の沈降終末速度−単一粒子の沈降現象、運動方程式、沈降終末速度、層流、乱流、Stokesの式−(3週)

7.     過渡状態と2次元運動および粒子群の沈降現象−過渡状態の沈降速度、層流域、乱流域、2次元運動、差分方程式の解法、沈降条件による補正方法−(2週)

8.     固定粒子層中の層流条件における流体透過流動現象−充填層透過流動現象、層流、動水半径と相当直径、空塔速度、D'Arcyの式、Kozeny-Carmanの式(3週)

9.     乱流条件での透過流動現象−充填層流動抵抗、乱流、Burke-Plummer式、修正レイノルズ数、Ergunの式、充填層の圧損失(3週)

10.流動層と最小流動化速度−固定相、流動層、流動化開始点、最小流動化速度、最疎充填率、最小流動化係数−(2週)

 

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各達成目標に対する達成度の具体的な評価方法:

  1,2.前期中間試験において60%以上の成績で評価する。

  3.前期末試験において60%以上の成績で評価する。

  4.後期中間試験において60%以上の成績で評価する。

  5.後期末試験において60%以上の成績で評価する。

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評価方法:

  評価は、前期の中間試験および学期末試験の成績をAB、後期のそれぞれの成績をCDとして、下記のように各学期の成績は算術平均値とし、前期と後期の成績の加重平均を最終成績とする。

前期:A + B/2; 後期C + D/

最終成績:前期成績(40) +後期成績(60)

 

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連絡事項:

  1.授業方法は、講義と問題や課題の解答を中心とし、必要に応じて視聴覚教材を使用して行います。

  2.中間および期末試験の時間は90分とし、計算機を使用して行います。また、試験内容に応じて、教科書や自筆ノ−ト、配布資料等の持ち込みを可とする場合があります。

  3.各授業時間の間や最後には理解の確認のために適宜質疑応答時間を設けます。

  4.化学および関連装置の操作設計に関する工学的考え方並びに計算によって解答を得る方法を十分に理解して欲しい。

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