科 目 名:  工業材料  (英文科目名:  Industrial Materials)   2005年版

      2単位 必修 物質工学科5年 通年

担当教官:  小林 秀彦 (非常勤講師)

      Tel: 048-858-3501    E-mail: hikoba@apc.saitama-u.ac.jp

授業目的:

1.セラミックプロセシングとは何かを学び、材料の信頼性、機能性にセラミックプロセシングがいかに重要かを理解する。

2.セラミック粉末の代表的な合成法である気相法、液相法、固相法の習得と、これらに共通する考え方を理解する。

3.セラミック粉末のキャラクタリゼーションとは何かを理解し、これらの手法についての基礎知識を習得する。

4.セラミック粉末の成形法と焼結法について理解する。特に、粒、気孔、粒界の動きを中心に理解を深める。

達成目標:

1.材料の信頼性、機能性にセラミックプロセシングがいかに重要かを説明でき、セラミックプロセシングと材料の信頼性および機能性との関連性を説明できる。

2.セラミック粉末の合成法について説明できる。

3.粉末のキャラクタリゼーションを説明できる。

4.セラミックス粉末の成形法について説明でき、これらの知識が応用できること。

5.セラミックス粉末の焼結現象および焼結法について説明でき、これらの知識が応用できること。

技術者教育プログラムの学習・教育目標: (-2)

JABEE基準1の(1)との関係: ((2-a))()

 

カリキュラム中の位置づけ

この科目を学ぶために,前年度までの履修科目で本科目と関連のある科目

 無機化学,物理化学

現学年でこの科目と関連ある科目

 材料工学,焼結工学,

次年度以降に学ぶ,この科目に関連ある科目

 複合材料

 

教科書:  水谷、尾崎、木村、山口「セラミックプロセシング」(技報堂、1985

参考書:  水田、河本共著「セラミックス材料科学」(東京大学出版会)

柳田 博明著「セラミックスの化学」(丸善)

柳田、永井共著「セラミックスの科学」(技報堂)

安田、高萩、奥山、峠、安保、岡本共著「機能性材料科学」(朝倉)

 

キーワード:

  セラミックプロセシング、セラミック粉体、気相法、液相法、固相法、キャラクタリゼーション、成形法、充填構造、焼成、焼結体、物質移動、気孔、緻密化、微細構造

授業内容:

1.序 論−  無機材料とは。(1)

2.セラミックプロセシングとは。セラミックプロセシングとセラミックスの性質、セラミックスの純度、そして材料の信頼性とは。(1)

3.セラミック粉末− セラミック粉体の特徴と粉体粒子の構造、粉体の特徴、微粒子の性質、セラミック粉体の物理的・化学的性質 (2)

4.セラミック粉末の合成− 液相からの粉末合成法(分類と特徴、沈殿生成、コロイド法、アルコキシド法)、   気相からの粉末合成法(分類と特徴、平衡定数、過飽和度、核生成、気相反応法、ガス蒸発法)、       固相からの粉末合成法(分類と特徴、熱分解法、固相反応法) (7)

5.セラミック粉末のキャラクタリゼーション− 必要性と評価、評価法の原理および特徴、粒子の充填、粉体の密度、凝集粒子の性質、粉体の焼結特性、成形体の性質 (4)

6.セラミック粉末の成形− 成形とは、成形操作の必要性と特徴、成形法と結合剤、加圧成形法、粉体の高密度化、粉体の流動と圧力分布、泥しょう鋳込み成形法、粒子の帯電と電気二重層、泥しょう中の粒子の凝集、泥しょうの着肉速度、電気泳動鋳込み成形法、ドクターブレイドプロセス、静水圧成形法、射出成形法

 (6週)

7.焼 結− 焼結とは、焼結の原理、焼成中に起こる物質移動、焼成中に起こる変化−緻密化と粒成長、気孔と粒界の相互作用、微細構造に与える工程パラメーターの影響−粉体の性質、成形体の性質、添加物、焼成法−昇温速度、焼成温度と時間、焼成雰囲気、圧力の効果、焼結体の構造とその測定 (8)

 

 

各達成目標に対する達成度の具体的な評価方法

160%以上の成績で評価する

2.同上

3.同上

4.同上

5.同上

 

評価方法:

中間試験(30)、期末試験(30)、宿題の理解度確認シート(40)

 

連絡事項:

1.学習方法

予 習: 特に準備はいらない。

授 業: 授業時間内に講義内容が理解できるように授業を進めるので、より多くの活きた知識を身につけること。授業中に多く質問するように努力すること。

復 習: 毎回の講義内容の理解度を各自が確認できるように、理解度確認シートを宿題にする。

2.授業方法

 授業時間内に講義内容が理解できるように授業を進め、より多くの活きた知識を身につけさせる。授業中に多く質問するように努力させ、自らが積極的に専門知識を習得できるようにする。毎回の講義内容の理解度を各自が確認できるように、理解度確認シートを宿題にする。

  3.試験実施方法

   中間試験および期末試験は時間を90分とし、基礎的で基本的な内容の理解度を確認します。

4.学生へのメッセージ

セラミックスの高機能材料化の困難さを克服した科学と技術がセラミックプロセシングです。このセラミックプロセシングについて基礎から学ぶことができます。講義で理解した内容を素材(材料)開発に応用できるように、しっかりと勉強して下さい。

   質問がある場合には、電子メールでコンタクトを取ること。 e-mail hikoba@apc.saitama-u.ac.jp