立体化学(SC専門科目)           2005年度版

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科目名:立体化学(英文科目名: Stereo-chemistry

        2単位 選択 物質工学専攻1、2年 前期 隔年開講

担当教官:胸組虎胤 (居室:物質工学科実験棟2階)

    Tel:0285-20-2800   E-mail: munegumi@oyama-ct.ac.jp

授業目的

1. 有機化合物の立体構造とその表記法を把握できるようにする。

2. 立体区別反応のうち立体選択的反応と立体特異的反応の違いを理解させる。

3. 立体区別反応が起こる化学的な理由を理解させる。

4. コンホメーションについて理解を深めさせる。

5. 光学分割の基本原理について理解を深めさせる。

達成目標

1. DL表示、RS表示で表した立体構造を透視式で表現できること。

2. DL表示とRS表示の相互変換ができること。

3. 立体選択的反応と立体特異的反応の違いを説明できること。

4. コンホメーション(立体配座)とコンフィグレーション(立体配置)の違いが説明できる。

5. 光学分割の基本原理が説明できること。

技術者教育プログラムの学習・教育目標(A-2)

JABEE基準1の(1)との関係 (d(2)a) 

教科書

 M. J. T. Robinson著、豊田真司訳: 「立体化学入門-三次元の有機化学」 化学同人 (2002.

 

参考書

1.   Henri Kagan著、小田順一訳「カガン有機立体化学」化学同人(1981

2.   野平博之「光学活性体 その有機工業化学」朝倉書店(1989

 

学習方法

  予習-授業計画に予定されている授業内容に関連する内容を、事前に参考書等で学習して問題点を明らかにしておく。

  授業-講義内容と黒板の内容をノートに整理して理解する。

     疑問点を質問する。授業内で行われる小テストに解答する。

  復習-授業での内容を反復学習し、毎回出される課題に解答する。

小テストに出されると推測される問題を自分で作り解答する。

キーワード

  反応、合成、立体効果、選択性、光学分割、錯体、立体特異性、立体選択性

授業内容

1.  有機立体化学の方法と概念の発展(1週):炭素四面体説、相対配置、絶対配置

2.  有機分子の形、大きさとひずみ(2週):結合長と結合角、ねじれ角、Van der Waals半径、分子模型とコンピュータグラフィックス

3.有機分子の形の変化(3週):立体配座、配座異性体、シクロヘキサン、3員環、4員環、分子力学

4.分子と化合物の立体異性(3週):化合物のキラリティー、絶対立体化学、相対立体化学、Cahn-Ingold-Prelog表示法、

5.ラセミ体とその分割(2週):ラセミ体、ジアステレオマを経由した分割、キラルなクロマトグラフィーを利用した分割、エナンチオマー過剰率

6.立体特異的反応と立体選択的反応(3週):遷移状態の立体化学、立体特異性、立体選択性

7.無機化合物の立体化学:金属錯体、立体化学

授業方法:講義を中心として、毎回10分程度の小テストを授業開始とともに行う。

    学習の達成度は、小テストの結果で知らせる。

    講義時間以外でも質問がある場合は応じる。

    本人の欠席等により授業内容を理解できなかった場合の補講、及び小テストの再試験は行わない。 

評価方法:評価は以下の3項目の加重平均によって行う。

1.スクールワーク(授業中に行う質問への回答):10%

2.ホームワーク(提出されたレポートへの評価)20%

3.  試験:10回の小テスト60%と1回の定期試験10%

 各達成目標に対する達成度の具体的評価法:

  試験での関連問題と課題成績等の合計が60%以上の成績で達成とする。

学生へのメッセージ

小テストと課題は確実に行うこと。小テストは授業開始から10分間、定期試験は50分間とし、参考書、コピー、携帯電話、電卓の持ち込みは不可。理解が困難な場合は、その都度相談に応じる。

 

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