生物化学特論II(SC専門科目)
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科目名:生物化学特論II(英文科目名:Special Course of Biological Chemistry )
2単位 選択 物質工学専攻1、2年後期 隔年開講
担当教官:胸組虎胤 (居室:物質工学科実験棟2階)
Tel:0285-20-2800 E-mail: munegumi@oyama-ct.ac.jp
授業目的:
1. 生体反応におけるいくつかの酵素(酸化還元、加水分解、C-C結合生成)区別について理解する
2. 上記の反応の機構を理解する
3. 生体物質の代謝経路間の関係を理解する
4. 酵素を用いた物質合成の基礎と応用についての知識を得る
達成目標:
1. 酵素の触媒する6種類の反応(酸化還元反応、転移反応、加水分解反応、付加脱離反応、異性化反応、合成反応)の区別ができること。
2. 上記6種類の反応の具体例各一つずつの反応機構を説明できること。
3. 糖、脂質、芳香族炭化水素、アミノ酸の代謝経路の概略と相互関係が説明できること。
4. 酵素を用いた有機合成(光学分割、立体特異的反応、アルコールの酸化、ケトンの還元、テルペンの生成)についての具体的な方法を説明できること。
5. 酵素を用いた工業の方向性(省エネルギー、バイオテクノロジー、環境問題)とその概略が説明できること。
技術者教育プログラムの学習・教育目標:(A)(C)
JABEE基準1の(1)との関係:(a)(d)(f)(g)
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教科書:太田博道「生体反応論」三共出版(1996)
参考書:田宮 他訳「ヴォート生化学(上)(下)」東京化学同人(1992)
学習方法:
予習-授業計画に予定されている授業内容に関連する内容を、事前に参考書等で学習して問題点を明らかにしておく。
授業-講義内容と黒板の内容をノートに整理して理解する。
疑問点を質問する。授業内で行われる小テストに解答する。
授業中に教官からの質問に解答する。
復習-授業での内容を反復学習し、課題に解答する。
小テストに出されると推測される問題を自分で作り解答する。
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キーワード:代謝、酵素、物質生産、触媒
授業内容:
1. 遺伝情報と酵素(1週):遺伝情報、転写、ペプチド合成、構成酵素、誘導酵素、フィードバック制御
2. 酵素の構造と触媒作用の機構(2週):酵素の種類、酵素の構造、酵素反応速度、酵素反応と立体化学
3. 酵素による物質変換の有機反応論(2週):糖の代謝、TCAサイクル、脂肪酸の代謝
4. 発酵生産(2週):グルタミン酸発酵、リジン発酵、イソロイシン発酵
5. 生体反応の有機化学への応用(2週):微生物変換、酵素変換、生体触媒利用の工夫、光学活性体
6. 生体触媒による加水分解(2週):エステルの加水分解、二トリルの加水分解
7. 生体触媒による酸化還元(2週):酸化酵素、C-H結合の酸化、アルコールの酸化、パン酵母による還元
8. 生体触媒による炭素-炭素結合生成と開裂(2週):アルドラーゼ、トランスケトラーゼ、
9. 生体触媒と有機溶媒(1週):有機溶媒と酵素反応、エステル交換、2相系
10.バイオテクノロジーとの関連(1週):クローニング、抗体触媒、PCR
授業方法:
講義を中心として、毎回15分程度の小テストを行う。
学習の達成度は、小テストの結果で知らせる。
講義時間以外でも質問がある場合は応じる。
本人の欠席等により授業内容を理解できなかった場合の補講、
及び小テストの再試験は行わない。
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評価方法:
評価は以下の3項目の加重平均によって行う。
1.スクールワーク(授業中に行う質問への回答):10%
2.ホームワーク(提出されたレポートへの評価)20%
3.試験:10回の小テスト60%と1回の定期試験10%
小テストと定期試験実施方法:
小テストは授業開始から15分間、定期試験は50分間とし、参考書、コピー、携帯電話、
電卓の持ち込みは不可。
学生へのメッセージ:
小テストと課題は確実に行うこと。理解が困難な場合は、その都度相談に応じる。
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