免疫工学(SC
専門科目)
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科目名:免疫工学(英文科目名:Immunology and Engineering)
2単位 選択 物質工学専攻1,2年 後期 (隔年開講)
担当教官:佐々木いづみ(居室:電気・物質棟3階)
Tel: 0285-20-2811 E-mail: sasaki@oyama-ct.ac.jp
授業目的:
1. 免疫の基本的な仕組みの理解
2. 免疫の種類とその働きの理解
3. 免疫異常が起こす疾患とそのメカニズムの理解
4. 免疫を用いた工業的な応用の知識の修得
達成目標:
1. 免疫系が生体を防御する仕組みを説明できる。
2. 免疫細胞とその種類、個々の働きを説明できるようになる。
3. 免疫異常による疾患がどうして起こるか説明できる。
4. 工業的な応用を免疫の特徴、反応機構から考案できるようになること。
技術者教育プログラムの学習・教育目標:(A), (C)
JABEE基準1の(1)との関係:(d), (e)
教科書:担当教官が作成
参考書
1)Janeway & Travers『免疫生物学』 南江堂(1998)
2)免疫のしくみと疾患(平野俊夫編)、羊土社、1997.
3)サイトカインの最前線(平野俊夫編)、羊土社、2000.
授業内容:
1. 免疫学の基本的な概念、特異性について説明するとともに、免疫系の構造と機能、免役担当細胞(白血球一般、T細胞、B細胞、NK細胞、NKT細胞などのリンパ球、樹状細胞等)、系統発生、個体発生などについて解説する。(2週)
2. 免疫グロブリンとB細胞抗原受容体による抗原認識機構、免疫グロブリンの構造と機能、B細胞の初期発生と遺伝子再構成機構などについて解説する。(2週)
3. T細胞のT細胞抗原受容体を介した抗原認識機構、Tリンパ球の初期分化、胸腺におけるネガティブセレクションとポジティブセレクションについて解説する。(2週)
4. 生体内でT細胞、B細胞、樹状細胞などが局所に動員され、相互作用をする分子機構とこれとの相互作用の結果生じるB細胞のクラススイッチング、リンパ球のメモリー獲得、免疫寛容などについて解説する。(2週)
5. サイトカインの構造と機能、受容体、サイトカインと癌、サイトカインとウイルス、サイトカインとTh1, Th2分化などについて解説する。(2週)
6. 免疫系が異常になった時に見られる疾患、特にアレルギー、自己免疫疾患、免疫不全などについて、その分子レベルでの発症機構ついて解説する。(2週)
7. 癌免疫、 移植免疫など、免疫の人為的制御の理論的裏付けについて解説するとともに、新しい人為的制御の可能性についても触れる。また、免疫の工業的利用法について、可能性を考察する。(3週)
評価方法:
評価は下記2項目の加重平均によって行う。
1. 期末試験(60%)
2. 演習問題の評価(40%)
連絡事項:
1. 授業方法は講義を中心とし、毎回演習問題を出して次の時間までに解答を求めます。
2. 演習問題にはその時間で学んだことに対する理解度を試す問題が出題されます。
3. 期末試験は90分とし、資料等の持ち込みは不可とします。
4. 本講義は免疫学の知識を得ると共にそれを工業的に応用させるアイディアを育てることを目的としています。よって、講義後には、演習問題をとおして、応用方法を考案するようにして下さい。
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