科目名:量子化学 (英文科目名:Quantum Chemistry

    2単位 必修 物質工学科4年 前期、後期

 

担当教官:堤 欣 三 (居室:専攻科棟4階)

     掾F0285-20-2807  Email: tsutsumi@oyama-ct.ac.jp

 

授業目的

 ○反応速度論

 1.反応速度の概念を理解する、2.反応速度と反応機構の研究方法、3.衝突理論の理解、4.遷移状態理論の学習、5.短寿命分子種の取り扱い法の理解

 

 ○量子化学

 1.原子・分子の量子力学的取り扱いの学習、2.各種分光学の原理と方法の学習、3.原子・分子の電気的・磁気的性質の理解

 

達成目標

 ○反応速度論

 1.反応速度についての具体的な解析ができること、2.化学反応の分子論的考察と定量的取り扱いを習得する、3.反応機構の解析の初歩的取り扱いが可能となること

 

 ○量子化学

 1.古典力学と量子力学の違いを理解すること、2.力学的系の固有値と固有関数の概念を理解する、3.原子軌道・分子軌道の求め方を理解する、4.各種分光学を利用して分子構造の解明の初歩まで理解する

5.原子・分子の電気的・磁気的性質を理解する

 

教科書:

 バーロー著、大門 寛・堂免一成 訳「物理化学 下」、東京化学同人(1996

 

参考書:

 ○反応速度論

 ○量子化学

H.Eyring,T.L.J.Walter and G.E.Kimball, Quantum Chemistry,John Wiley & Sons,Inc. (1944).(世界的名著である)

学習方法:

量子論は難しい学問の一つである。より深く理解するためには、各論の参考書を利用して勉強する必要がある。

 

キーワード:

 速度式、反応機構、活性化エネルギー、衝突理論、遷移状態、レーザー、量子化、波動関数、固有値、分光学、磁性

 

授業内容:

 ○反応速度論

 A.反応速度式

  1.反応速度式と速度定数、2.一次、二次速度式、3.反応速度と平衡

 B.反応速度と反応機構

  1.複雑な反応速度式、2.気相単分子反応、3.酵素触媒反応

 C.衝突と反応

  1.分子間の衝突、2.反応速度の衝突理論

 D.遷移状態理論

  1.反応速度の遷移状態理論、2.溶液反応の遷移状態理論

 E.発光過程

  1.光化学反応、2.光化学反応の速度論、3.閃光光分解

 

 ○量子化学

 A.波動力学

  1.Schrödinger 方程式、2.箱の中の粒子、3.変分法

 B.角度に関する挙動

  1.平面内回転、2.三次元における回転

 C.粒子のスピンとスピン関数

 D.原子と二原子分子の電子構造

 E.分光学

  1.回転・振動スペクトル、2.可視・紫外分光、3.光電子分光、

4.磁気共鳴分光法、5.電子スピン共鳴分光法

 D.電気的・磁気的性質

  1.モル分極、2.双極子モーメント、3.結合モーメント、4.磁気的性質、5.反磁性、6.常磁性

 

授業方法:

 講義を中心に進める

 

カリキュラム中の位置づけ

 化学・生物学に共通の基礎科目である

 

この科目を学ぶために先行して理解する必要のある科目:

 ある程度の数学、微分・積分学

 

この科目と同時に学ぶ関連科目: 

 特になし

 

この科目の後に学ぶ関連科目:

 特になし

 

評価方法:

 基本的に4回の試験結果から評価する。追試験を行った場合の結果も評価の対象とする。

 

定期試験実施方法:

 4回の試験は全て筆記試験である。

 

連絡事項:

 特になし。

 

学生へのメッセージ:

 反応速度論、量子化学は化学・生物学を含めあらゆる分野で最も基本的な学問である。反応や物性を理解する

上で重要な指針を与えてくれる