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科目名: システム演習W (英文科目名:System Practice IV) 1単位 必修 電子制御工学科 2年 後期

担当教官:久保和良(居室:電子制御工学科棟4階)Tel: 0285-20-2261 E-mail: kubo@oyama-ct.ac.jp

 

授業目的:

 技術者のおかれている立場を理解し、いわゆる工学倫理・技術者倫理の事例を研究し、

一般的な工学倫理の概念を踏まえた上でチーム単位でさらに進んだ調査、理解、考察を行う。

それらの結果を報告書にまとめ、技術者倫理発表会においてプレゼンテーションを体験する。

達成目標:

 1.技術者の立場を世界的視点で理解する事。

 2.技術者の倫理を事例研究を通じて理解し、自分の意見を言えること。

 3.製造物責任について理解し、自分の意見を言えること。

 4.チーム内で役割に従った行動ができ、他者との討論ができること。

 5.発表会用の報告書の作成ができること。

 6.プレゼンテーションを経験する事。

総合工学系プログラムの学習・教育目標: ( ), ( ) JABEE基準1の(1)との関係: ( ), ( ) 

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教科書:

斉藤了文ほか:「はじめての工学倫理」昭和堂(2001)

参考書:

1)杉本泰治ほか:「技術者の倫理入門」丸善(2001)

2)長瀬二三男:「製造物責任法の解説」一橋出版(1995)

3)C.ウィットベック:「技術者倫理1」みすず書房(2000)

4)日本技術士会訳編:「科学技術者の倫理その考え方と事例」丸善(1998)

5)米国NSPE倫理審査委員会:「科学技術者倫理の事例と考察」丸善(2000)

6)吉村忠与志ほか:「技術者倫理入門」オーム社(2003)

7)中島利勝ほか:「知的な科学技術文章の書き方」コロナ社(1996)

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授業内容:

 1.技術者の立場T

                   APECエンジニア、PEFE、技術士、JABEE、工学倫理、相互承認

 2.技術者の立場U

                   ロジャーボイジョリー、チャレンジャー号事件

 3.製造物責任

                   PL法、企業責任、医療事故

 4.知的財産権

                   違法コピー、特許

 5.その他の事例研究

フォードピント事件(トレードオフ)、雪印乳業集団食中毒事件(消費者を守る責任)、新潟鉄工事件(守秘義務と公衆の福利)

グッドリッチ社のブレーキ開発(内部告発)、米国三菱自動車訴訟(セクシャルハラスメント)、わいろと贈り物(技術者のモラル)

レガシィリコール事件(経営と社会制度)

 6.工学倫理の基礎知識

                   リスクと安全性、特許と著作権、企業の倫理と組織の個人、倫理綱領、生命倫理・環境倫理・情報倫理

 7.工学倫理の技法

                   セブンステップガイド、線引き法、創造的中道法

 8.チーム活動による報告書作成とプレゼンテーション

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評価方法:

基礎知識に関してペーパーテストを行い、基本用語・基本事例の理解度と説明能力を各設問ごとに5段階評価して仮合否を決定する。

仮合格者に対してチーム活動と工学倫理発表会での発表を経験させ、ペーパーテスト合格と発表経験があれば合格とする。

評点は発表会における学生評価と教官評価の加重平均によって求める。

連絡事項:

高専を卒業して技術者になった時に経験するであろう様々な技術者を取り巻く事例を学び、各自にじっくりと考えてもらいます。

基本的には何が正解ということはないとしても、それぞれの問題に対して皆が知識を持っている事と、自分の考えをはっきり表明

できることが大切だと考えます。この授業はいわゆる倫理学や道徳を扱うものではなく、諸君が技術者の卵として社会に目を向ける

きっかけになれば良いと考えています。

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