=====================================

科目名: システム工学T (英文科目名:System Engineering I) 1単位 選択 電子制御工学科 5年 前期

担当教官:久保和良(居室:電子制御工学科棟4階)Tel: 0285-20-2261 E-mail: kubo@oyama-ct.ac.jp

 

授業目的:

1.細分化されていない横断型工学の立場から工学的なものの見方を与えるとともに、工学システムを突き詰めて考えてゆくと

生物学をも包含するサイエンスへと発展しうることを述べる。総じて工学技術者としてシステム的発想ができるようになる

ことを目的とする。

達成目標:

1.対象がシステムであること判定でき、どのようなシステムであるかを表現できること。

2.動的モデルを伝達関数や状態変数で記述できること。

3.システム工学の基本的手法や用語を説明することができ、自説の表現にあっては的確に使用することができること。

4.コンピュータがシステムであるとの立場から、その階層構造を説明することができること。

5.学習や進化といった観点から工学システムを説明することができること。

6.最新の人工生命の話題に関して、自分の意見を述べることができること。

 

総合工学系プログラムの学習・教育目標: (A), (C) JABEE基準1の(1)との関係: (d), (g)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

教科書: 星野力:システムの世界、共立出版(1993)【指定教科書・本体2000円】

参考書:

1)赤木新介:システム工学、共立出版(1992)

2)中森義輝:システム工学、コロナ社(2002)

3)古川正志ほか:システム工学、コロナ社(2000)

4)情報処理学会:知識工学、オーム社(1987)

)菊地豊彦:入門ニューロコンピュータ、オーム社(1990)

6)合原一幸:ニューラルシステムにおけるカオス、東京電機大学出版局(1993)

7)松本元ほか:脳・心・コンピュータ、丸善(1996)

8)P.H.ウィンストン:人工知能、培風館(1980)

9)安居院猛ほか:ジェネティックアルゴリズム、昭晃堂(1993)

10)新誠一:たまごっち学術考、オーム社(1997)

11)添田・中溝:システム工学の講義と演習、日新出版(1994)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

授業内容:

1.システムとシステム工学

システムの定義、システム工学の必要性、システム環境とシステム境界、システム構造とサブシステム、集中管理制御機構、自律システム、分散システム、システム工学の経験則

2.システムの動的モデル

入出力とブラックボックス、分析問題と逆問題、静的システムと動的システム、システム間のアナロジー、線形システムと非線形システム、伝達関数表現、状態変数表現

3.連続系と離散系  離散化と差分方程式、オートマトンモデル、ランダムウォーク、マルコフ過程

4.システムモデル  グラフ表現、線形計画法、非線形計画法、動的計画法、最適化問題、システムの信頼度、ゲーム理論

5.システム科学の根本  ノバートウィナーとサイバネティックス、フォンノイマンとノイマン型コンピュータ、シャノンと情報理論

6.コンピュータの垂直構造  コンピュータアーキテクチャ、階層構造、可変プログラム内臓方式、ソフトウェアとシステム論

7.人工知能と人工生命

エキスパートシステムと知識工学、人工知能、ドレフュス事件、記号主義的人工知能、ミンスキーのフレーム、脳の仕組み、コネクショニズム、パーセプトロン、ニューラルネット、ヒューリスティック動作、システムとしての生物進化、遺伝的アルゴリズム、弱い人工生命、強い人工生命、進化、創発

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

評価方法:

1.評価  上記授業内容中1・2・3の項目についてペーパーテストを行い60点以上の点数を得たものを合格候補者とする。

合格候補者に対して上記授業内容中4〜7の項目についての記述式レポートを提出させて評点とする。他者レポートや書籍等を

写した内容は評価の対象としない。

2.水準  この科目では前半の知識と能力のみならず、人工生命や創発までの最先端科学技術における哲学をも含む内容であるから、

教科書に書かれている水準でかかれたレポートはぎりぎり不合格の水準としている。さらに授業内容に裏打ちされた持論を展開できる

ことが必要で、オリジナリティの部分が十分に記述されてはじめて合格水準とする。

3.再試験 特別の事情(病気怪我の医師の診断書提出、その他国際紛争等、学生本人の意思によって解決できない事情)があり、

かつ1週間以内に受験できる場合はペーパーテストの再試験を実施することがある。また、平素の演習、課題、宿題の提出を求め、

オリジナリティのある十分な提出物を9割以上提出している者に限ってペーパーテストの再試験を認めることがある。

再試験を認められた場合は指定の補習を受けた後に、本ペーパーテストと同水準の再試験を実施し、同水準の評価を行い判定する。

なお、再試験合格の場合は上限を60点とする。最終レポートの提出期限を守らない場合は一律不合格とする。

連絡事項:

1.授業方法は講義を中心とし、多くの課題提出(演習、課題、宿題)を求めます。

2.課題提出は必ず行い、また教科書を用いて復習を行い、システム工学を理解してください。

3.ペーパーテストは時間を60ないし90分とし、手書きのノートの持ち込みは可とします。

ただしノートのコピー、パソコン、通信手段(携帯電話等)、教科書、書籍類の持ち込みは不可。

=====================================