応用物理(電気情報工学科専門科目)                         2005年度

 

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科目名:応用物理(英文科目名:Applied Physics

    2単位 必修 電気情報工学科4年 通年 

担当教官:鈴木真ノ介 (居室:電気・物質棟2階)

    Tel: 0285-20-2240    E-mail: shin-s@oyama-ct.ac.jp

授業目的:

1.  応用物理の中で電気情報工学科の基礎科目である電磁気学を,ベクトルを交えて学び直すことにより,電磁気学の理論体系を習得する.

2.  電磁気学を通して,数式が示す物理現象を理解する.

達成目標:

1.  クーロンの法則,ガウスの法則を理解し,電界の分布を求める方法を習得する.

2.  電界と電位の関係を理解し,ある電荷分布が与えられた場合の電位を求める方法を習得する.

3.  アンペールの法則,ビオ・サバールの法則を用いて電流が作る磁界を求める方法を習得する.

4.  変位電流や電磁誘導など,変化する電磁界による現象が説明できる.

5.  マクスウェルの方程式を構成する4つの式がどんな現象を示しているか説明できる.

 

・・・プログラムの学習・教育目標: (A-1), (A-2),

 JABEE基準1の(1)との関係: (c), (d(1)),(g)

 

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カリキュラム中の位置づけ:

 この科目を学ぶために,前年度までの履修科目で本科目と関連性のある科目

                   電気情報工学大系,電気回路学T,電気磁気学T,応用物理

 現学年でこの科目と関連性のある科目

                   電気回路学U,電磁波工学,電気機器工学

 次年度以降に学ぶ,この科目に関連性のある科目

                   電気磁気学U,電磁エネルギー工学,電磁環境工学,電気磁気学特論

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教科書:橋元淳一郎単位が取れる電磁気ノート講談社サイエンティフィク2003

参考書:

1. 桂井誠 「基礎電磁気学」 オーム社  (2000)

2. 山口昌一郎 「基礎電磁気学」 電気学会(オーム社) (2002)

3. 金古喜代治 「ベクトル電磁気学の基礎と演習」 学献社 (1981) 

 

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授業内容:

1.  電磁気学の学び方(1週)

     応用物理における電磁気学の位置づけ

     “場”という考え方

     単位系の考え方

2.  ベクトル解析(3週)

     スカラー積とベクトル積

     偏微分,全微分

     ベクトルの勾配(grad), 発散(div), 回転(rot)

3.  静電界:クーロンの法則とガウスの法則(2週)

     電荷に働く力(電界に関するクーロンの法則)

     電荷による電界(ガウスの法則,ガウスの定理)

4.  電位(3週)

     電荷による電気的な位置エネルギー(電位)

     スカラー場,保存力,ポテンシャルエネルギー

     電界と電位の関係(ポアソンの方程式,ラプラスの方程式)

5.  導体(3週)

     導体の定義,性質,導体表面の電界

     電気影像法

     接地(アース),静電遮蔽

6.  コンデンサと静電エネルギー(2週)

     コンデンサに関する公式

     静電エネルギー,電界のエネルギー密度

7.  誘電体(2週)

     誘電体の性質,誘電分極

     電界,電束の連続性

8.  静磁界:定常電流と磁場(3週)

     静電界と静磁界の対称性

     電荷保存の法則

     定常電流の作る磁場(アンペールの法則,ビオ・サバールの法則)

     ベクトルポテンシャル

9.  ローレンツ力(2週)

     磁界の力,ローレンツ力

     アンペアの定義

10.変化する電磁界(3週)

     変位電流

     電磁誘導(ファラデーの法則,レンツの法則)

     磁気エネルギー

11.マクスウェルの方程式と電磁波(4週)

     マクスウェルの方程式

     波動方程式

     電磁波のエネルギー

     ポインティング・ベクトル

 

※中間試験(前後期各1回),期末試験(前後期各1回)を別途行う.

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各達成目標に対する達成度の具体的な評価方法:

1. 定期試験で60%,提出課題で40%の評価とし,合算を総合評価とする.

2.〜5.に関しても同様.

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評価方法:

  評価は下記2項目の加重平均によって行う.

  1.定期試験(60

2.授業中に行う演習問題や課題の解答内容,それらへの取り組み方(40%)

 

連絡事項:

1. 授業方法は講義を中心とする.授業中に演習問題を解かせることもある.

2. 授業内容に応じて演習問題を課題として出し,解答の提出を求めることがある.

3. 学生へのメッセージ

     電磁気学は複雑だが,美しい一つの体系をなしている.その複雑さを出来るだけ単純な式として表すために微積分やベクトル解析を多分に用いており,その結果,理解しがたいものであるというレッテルが貼られている.本講義ではその複雑さをできるだけかみ砕いて,式の表す現象の物理的イメージか出来るようにすると共に,課題として提出を求める演習問題を通して理解を深められるようにしたい.本講義を受講した結果,“電磁気学は難しい”という印象が.少しでも和らげば幸いである.

     学生からの質問を大いに歓迎する.(電子メールも可)

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