科目名

応用物理

英語科目名

Applied Physics

開講年度・学期

平成19年度・通年

対象学科・専攻・学年

電気情報工学科4年

授業形態

講義

必修or選択

必修

単位数

2単位

単位種類

履修単位(30h)

担当教員

鈴木真ノ介

居室(もしくは所属)

電気・物質棟2階

電話

0285-20-2240

E-mail

shin-s@oyama-ct.ac.jp

授業の達成目標

1. クーロンの法則,ガウスの法則を理解し,電界の分布を求める方法を習得する.

2. 電界と電位の関係を理解し,ある電荷分布が与えられた場合の電位を求める方法を習得する.

3. アンペールの法則,ビオ・サバールの法則を用いて電流が作る磁界を求める方法を習得する.

4. 変位電流や電磁誘導など,変化する電磁界による現象が説明できる.

5. マクスウェルの方程式を構成する4つの式がどんな現象を示しているか説明できる.

各達成目標に対する達成度の具体的な評価方法

達成目標1〜5. 定期試験で60%,提出課題で40%の評価とし,合算を総合評価とする.

評価方法

 評価は下記2項目の加重平均によって行う.

1.定期試験(60%)

2.授業中に行う演習問題や課題の解答内容,それらへの取り組み方(40%)

授業内容

1. 電磁気学の学び方(1週)

・応用物理における電磁気学の位置付け

・“場”という考え方

2. ベクトル解析(2週)

・スカラー積とベクトル積

・ベクトルの勾配(grad), 発散(div), 回転(rot)

3. 静電界:クーロンの法則とガウスの法則(4週)

・電荷に働く力(電界に関するクーロンの法則)

・電荷による電界(ガウスの法則,ガウスの定理)

・前期中間試験

4. 電位(3週)

・電荷による電気的な位置エネルギー(電位)

・スカラー場,保存力,ポテンシャルエネルギー

・電界と電位の関係(ポアソンの方程式,ラプラスの方程式)

5. 導体と誘電体(4週)

・導体の定義,性質,導体表面の電界

・電気影像法

・誘電体の性質,誘電分極

・コンデンサと静電エネルギー

・前期末試験

6.静磁界:定常電流と磁場(4週)

・静電界と静磁界の対称性

・電荷保存の法則

・定常電流の作る磁場(アンペールの法則,ビオ・サバールの法則)

・ベクトルポテンシャル

・磁性体,インダクタンス

7.電磁誘導と磁気エネルギー(3週)

  ・電磁誘導(ファラデーの法則,レンツの法則,フレミングの法則)

  ・磁気エネルギー

・後期中間試験(1週)

8. 物質に加わる力(2週)

・ローレンツ力

・マクスウェルの応力

9.マクスウェルの方程式と電磁波(5週)

・変位電流

・マクスウェルの方程式

・波動方程式

・電磁波のエネルギー

・ポインティング・ベクトル

・学年末試験

キーワード

場,電界,磁界,電荷,電流,スカラー,ベクトル,マクスウェルの方程式

教科書

桂井誠 「基礎電磁気学」 オーム社  (2000)

参考書

1.橋元淳一郎「単位が取れる電磁気ノート」講談社サイエンティフィク(2003)

2.山口昌一郎 「基礎電磁気学」 電気学会(オーム社) (2002)

3.金古喜代治 「ベクトル電磁気学の基礎と演習」 学献社 (1981)

小山高専の教育方針@〜Eとの対応

B

技術者教育プログラムの学習・教育目標

A-1)科学や工学の基本原理や法則を身につける.

A-2)基礎知識を専門工学分野の問題に応用して解ける.

JABEE基準1の(1)との関係

(c), (d(1)),(g)

カリキュラム中の位置づけ

前年度までの関連科目

電気情報工学大系,電気回路学T,電気磁気学T,応用物理

現学年の関連科目

電気回路学U,電磁波工学,電気機器工学

次年度以降の関連科目

電気磁気学U,電磁エネルギー工学,電磁環境工学,電気磁気学特論

連絡事項

1.授業方法は講義を中心とする.授業中に演習問題を解かせることもある.

2.授業内容に応じて演習問題を課題として出し,解答の提出を求めることがある.

3.学生へのメッセージ

電磁気学は複雑だが,美しい一つの体系をなしている.その複雑な現象を出来るだけ単純な式として表すために微積分やベクトル解析を多分に用いており,その結果,理解しがたいものであるというレッテルが貼られている.本講義ではその複雑さをできるだけかみ砕いて,式の表す現象の物理的イメージか出来るようにすると共に,課題として提出を求める演習問題を通して理解を深められるようにしたい.本講義を受講した結果,“電磁気学は難しい”という印象が.少しでも和らげば幸いである.

学生からの質問を大いに歓迎する.(電子メールも可)

シラバス作成年月日:平成19年2月1日