科目名

電子デバイス工学

英語科目名

Electronic Device Engineering

開講年度・学期

平成19年度・通年

対象学科・専攻・学年

電気情報工学科4年

授業形態

講義

必修or選択

必修

単位数

2単位

単位種類

履修単位(30h)

担当教員

森夏樹

居室(もしくは所属)

専攻科棟5階

 

電話

0285-20-2228

E-mail

mori@oyama-ct.ac.jp

授業の達成目標

1.量子論の基礎を修得すること。

2.固体中の電子の速度、有効質量、状態密度の概念を把握する。

3.真性および不純物半導体のバンド構造と電子分布を説明できること。

4.半導体中の電子の輸送現象から、移動度・キャリア密度などを計算できること。

5.pn接合、トランジスタの特性についてバンド構造を使って説明できること。

6.発光ダイオード、レーザの原理を理解すること。

7.量子デバイスの基礎に興味を持つこと。

各達成目標に対する達成度の具体的な評価方法

達成目標1〜7について、

○基本的には、中間試験・学期末試験で、60%以上の成績で評価する。

○授業中に、そのときの講義内容の基礎となる事項について、演習・課題を与えること、プレゼンテーションを行うことで授業内容の理解を深めるように努める。

 

評価方法

定期試験70%、その他、授業中に出題する課題等に対する評価30%。試験で正解できなかった箇所についてレポートとして提出した場合には適宜加点される。

授業内容

1.1章.量子論1.1原子中の電子(Bohr条件、ドブロイ波)

2..2波動方程式(波動関数・方程式・井戸形potential)

3.階段U(r)・トンネル効果、1.3水素原子の量子論・演習

4.1.4多電子原子の電子配列(スピン、フントの法則) ・演習

5.1.5パウリ排他律と周期律表(元素族の説明)・演習

6.2章.結晶中の電子2.1結晶構造,2.2化学結合

7.2.3結晶構造(ミラー指数、ブラベー格子、最密構造)

8.(前期中間試験)

9.2.4金属の電子状態(箱中の電子の運動:量子論)

10. (k空間、フェルミ波数、フェルミエネルギー、状態密度)

11.k空間での電子の運動(電子速度、有効質量)

12. 2章のまとめと演習

13. 3章半導体の基礎物性3.1真性半導体のキャリア分布

14 pn積、3.2不純物半導体(基礎事項、不純物準位)

15. (続き)不純物半導体のキャリア分布とその温度変化

(前期期末試験)

16. 3.3半導体の電気伝導(電界応答)

17. 3.4Hall効果(Hall電圧)、3.5拡散電流

18. 3章のまとめと演習

19. 4章半導体ダイオード4.1pn接合、EFの一致、熱平衡状態のバンド構造

20. pn接合の電流の詳しい式、逆方向の降伏現象

21. pn接合容量の詳しい計算

22. その他のダイオード(Gunnダイオード、トンネルダイオード等)

23. 5章トランジスタ、5.1バイポーラトランジスタの原理と特性(バンド構造を中心として)

24. 5.2電界効果トランジスタ(MOS構造のバンド図からの理解)

25.(続き:MOS-FETの原理と特性)

26. 5.3集積回路の基礎概念

27. 6章半導体光デバイス6.1固体の光学特性6.2光導電性

28. 6.3光起電力デバイス,6.4発光デバイス(LED,LASER)

29. 7章超伝導7.1基礎的性質、7.2磁束の量子化、演習

30. 7.3超伝導の応用(SQUID)

(後期期末試験)

キーワード

ドブロイ波、波動関数、トンネル効果、半導体、ミラー指数、エネルギーバンド、状態密度、pn積、フェルミ準位、電気伝導、拡散電流、pn接合、MOS構造、FET、光デバイス、LED,LASER、量子効果、超伝導、SQUID

教科書

斉藤博、今井和明、他3名「入門固体物性(基礎からデバイスまで)」共立出版(2004)、

他に、プリントを配布

参考書

宮尾 亘「やさしく楽しい電子デバイス工学」日本理工出版会(2004)

小山高専の教育方針@〜Eとの対応

C

技術者教育プログラムの学習・教育目標

A-1)科学や工学の基本原理や法則を身につける。

A-2)基礎知識を専門工学分野の問題に応用して解ける。

JABEE基準1の(1)との関係

(d) (2-a)

カリキュラム中の位置づけ

前年度までの関連科目

電子工学、電磁気学T、電子情報工学

現学年の関連科目

電子物性

次年度以降の関連科目

固体電子論

連絡事項

授業内容について随時質問に応じる。電子メールでも可。

学生へのメッセージ:学生の皆さんは、先端技術と言うと、情報ネットワーク・知能ロボットなどを思い浮かべることだろうが、それら全ての基盤となっているのが、LSIを中心とする電子デバイス関連技術とそれを支える1電子バンド理論であることに注目して頂きたい。先端技術が現実化した背景を知るとともに、21世紀の新しいエレクトロニクスの基礎を紹介したい。

シラバス作成年月日:平成19年2月28日