科目名 |
固体電子論 |
英語科目名 |
Solid State Electron Theory |
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開講年度・学期 |
平成21年度・後期 |
対象学科・専攻・学年 |
電子システム工学専攻・1年,2年 |
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授業形態 |
講義 |
必修or選択 |
選択 |
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単位数 |
2単位 |
単位種類 |
学修単位(15+30)h |
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担当教員 |
森夏樹 |
居室(もしくは所属) |
専攻科棟5階 |
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電話 |
0285-20-2228 |
E-mail |
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授業の達成目標 |
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1.自由電子モデルに基づく電子状態密度・電子分布を理解し、自由電子の性質を説明できること。 2.逆格子ベクトルとk空間についての基礎概念を理解できること。 3.格子の周期性による電子の分散関係の変化を理解すること。 4.伝導電子に対するボルツマンの方程式を把握できること。 5.電気伝導・熱伝導などの輸送特性の概略を説明できること。 6.授業における基本的な英語を理解できること。 |
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各達成目標に対する達成度の具体的な評価方法 |
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予習−前回の授業での予告・指摘事項について調べておく。 授業−講義に際し配布したプリント(記述が英語の場合もある)で、「空白の部分に重要事項」を書き入れながら講義内容を理解する。途中の計算過程などを演習として行う。 復習−授業で完了しなかった演習・正答出来なかった質問事項について勉強しておく。 |
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評価方法 |
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学期末の試験50%、授業中の演習問題の解答・授業後に提出させた解答に対する評価50%。 授業の出欠は直接的には評価基準にしないが、休みが多い学生には、追加課題を科する。 |
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授業内容 |
授業内容に対する自宅学習項目 |
自宅学習時間 (時間) |
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1.1章.自由電子モデル1.1.波数空間−箱の中の粒子、自由粒子の波動関数 |
1.1波数空間について調べ、レポートとしてまとめる。量子力学に関する基礎問題を解答すること。 |
4 |
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2.1.2.自由電子のエネルギー分布(状態密度に関する考察) |
1.2の状態密度について内容を調査しておく。状態密度に関する演習について解答すること。 |
4 |
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3.1.2続き(量子統計、Fermi・Bose分布関数) |
1.2の分布関数について内容を調査しておく。分布関数に関する演習について解答すること。 |
4 |
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4.1.3電子比熱(内部エネルギー、比熱の計算、金属の比熱) |
1.3の電子比熱について内容を調査しておく。比熱に関する演習について解答すること。 |
4 |
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5.2章.結晶中の電子状態2.1A逆格子 |
2.1の逆格子について内容を調査しておく。逆格子に関する演習について解答すること。 |
4 |
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6.2.1B.ブリルアンゾーン、2.2 殆ど自由な電子近似 |
2.1のブリルアンゾーンについて内容を調査しておく。ブリルアンゾーンに関する演習について解答すること。 |
4 |
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7.2.3BZとFermi面(2次元、3次元、実際のBand) |
2.2のBZとFermi面について内容を調査しておく。BZとFermi面に関する演習について解答すること。 |
4 |
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(希望者に、X線回折実験を行う) |
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8.3章.電子の輸送現象3.1有効質量 3.2 Boltzmann方程式 |
3.1の有効質量について内容を調査しておく。有効質量に関する演習について解答すること。 |
4 |
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9.電気伝導率テンソル、3.3金属の電気伝導(A電子散乱)演習 |
3.2のBoltzmann方程式について内容を調査しておく。電気伝導率に関する演習について解答すること。 |
4 |
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10.続き(B.Bloch-Gruneizenの法則) |
3.3の金属の電気伝導について内容を調査しておく。Boltzmann方程式に関する演習について解答すること。 |
4 |
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11.3.4熱伝導(ゼーベック係数・Wiedemann -Franzの法則) |
3.4の熱電能について内容を調査しておく。熱電能に関する演習について解答すること。 |
4 |
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12(続き、K0の計算)3.5金属と半導体のゼーベック係数計算 |
3.5の金属・半導体のゼーベック効果について内容を調査しておく。半導体のゼーベック効果に関する演習について解答すること。 |
4 |
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13.1-3章のまとめ、4章金属の光・磁気特性 |
4.金属の性質について内容を調査しておく。光学・磁気特性に関する演習について解答すること。 |
4 |
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14.5章.格子振動と超伝導5.1格子振動の考え方、5.2電子格子相互作用 |
5.1の格子振動について内容を調査しておく。格子振動に関する演習について解答すること。 |
4 |
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15.5.3超伝導の物性論 |
5.3超伝導の基礎物性について内容を調査しておく。超伝導に関する演習について解答すること。 |
4 |
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(後期期末試験) |
自宅学習時間合計 |
60 |
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キーワード |
自由電子気体、状態密度、分布関数、電子比熱、逆格子空間、ブリルアンゾーン、殆ど自由な電子近似、フェルミ面、有効質量テンソル、ボルツマン方程式、電気伝導率テンソル、ブロッホ・グリューナイゼン則、熱電能、熱伝導率、ロンドン方程式、BCS理論 |
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教科書 |
○指定せず、プリントを配布。 |
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参考書 |
○鹿児島誠一「固体物理学」(裳華房テキストシリーズ−物理学)裳華房(2002) ○H.Ibach,H.Luth共著・石井力・木村忠正[共訳]「固体物理学」(新世紀物質科学への基礎) Springer-Verlag東京(1998) ○家泰弘「物性物理」産業図書(1997) |
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小山高専の教育方針@〜Eとの対応 |
C |
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技術者教育プログラムの学習・教育目標 |
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(A-2) 基礎知識を専門工学分野の問題に応用して解ける。 (B-2) 数学の知識と工学をつなぐ基礎的知識を身につける |
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JABEE基準1の(1)との関係 |
(c),(d)-(1-B) |
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カリキュラム中の位置づけ |
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前年度までの関連科目 |
電子工学、電子デバイス工学、電子物性、量子力学 |
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現学年の関連科目 |
電気磁気学特論 |
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次年度以降の関連科目 |
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連絡事項 |
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受講する場合、電子物性・量子力学の基礎的事項を理解している事を前提としている。 授業内容およびその関連事項(例えば、関連する特別研究の内容など)について随時質問に応じる。電子メールでも可。 学生へのメッセージ:本科において半導体電子工学で学んだ、状態密度・有効質量などの言葉は馴染み深いが、その概念を正確に理解することは難しい。本授業では、一電子バンド理論において、それらの概念の物理学的意味と理論的根拠を正確に把握し、固体中の電子の性質を理解できるよう解説する。 |
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シラバス作成年月日:平成21年2月27日 |
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