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科目名:応用科学(英文科目名: Applied Science

1単位 選択 専攻科全科1年 後期 講義+課題

担当教官:上村 孝  生物学 Biology (教官室:電気・物質棟4階)

Tel : 0285-20-2183 e-mail : uemura@oyama-ct.ac.jp

     柴田洋一  物理学 Physics (教官室:管理棟3階)

      Tel : 0285-20-2182 e-mail : shibata@oyama-ct.ac.jp

     高昌晨晴  化学 Chemistry (教官室:電気・物質棟3階)

      Tel : 0285-20-2181 e-mail : takajo@oyama-ct.ac.jp

         

授業目的:

  工業技術者にとって自然科学は知識として必要なだけでなく、科学的論理性

や自然原理の解明手法の修得が大切である。教養科目としての性格だけでなく、

技術者に必要な科学の一般常識や考え方を教授することを目的とする。

  授業は生物学・物理学・化学の三名の教官によるオムニバス形式をとる。

 

達成目標:

  各分野での講義・実習等を含め、科学的知識・思考法および考察方法を身に付ける。

 化学・生物学においては、講義内容に関する計算や原理・用語に関する説明が的確

に出来るようにする。また、物理学においては各自で理論計算・設計・製作を行い、

「戻ってくるブーメラン」を完成させ、報告書で完成品に至るまでの過程を報告する。

 

技術者教育プログラムの学習・教育目標:()()()

JABEE基準1の()と関係:()()()

 

学習保証時間:

  講義:2時間/週×12週/年=24時間/年

  実習:2時間/週× 3週/年= 6時間/年   計30時間/年

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教科書:

  各教官が作成したテキスト、解説・演習のプリント・実習教材等を配布する。

参考書:

  関連する書物、インターネットによる情報などを各自で検索されたい。

 

学習方法:

  学生は講義内容をノートにまとめ、配布したテキストにより理解度を深める。

講義時間外も自学自習による学習を求める。

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キーワード:

    進化、適応戦略、遺伝子、セントラルドグマ、バイオテクノロジー、生態系、

    ブーメラン、流体力学、剛体力学、回転運動方程式、歳差運動、慣性モーメント

    宇宙、基本粒子、原子の構造、核反応、年代測定、電子配置、原子スペクトル、

    混成軌道、結合、電気陰性度、化学式、活性酸素、ガラス、ゴム、導電性高分子

 

授業内容:

生物学  担当:上村 孝

  1.地球の歴史と生物の進化(生物の適応戦略) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1週

  2.生物を構成する物質(地球型生物の共通性 他) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1週

  3.遺伝子とそのメカニズム(バイオテクノロジーの未来) ・・・・・・・・・・・・・・ 1週

  4.医学薬学食品科学における最近の話題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1週

  5.郷土の自然環境と生物相 試験  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1週

物理学  担当:柴田洋一

  1.ブーメラン概論

     構造 投げ方 競技ル−ル 投げる練習 飛行状態の観察 ・・・・・・・  1週

  2.理論 〜揚力(ベルヌーイの定理)と回転体の歳差運動〜

     理論に基づく製作上の注意点     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  1週

  3.製作上の具体的構造論と製作実習

     投げてみて修正する Try & Errorを繰り返す ・・・・・・・・・・・・・・2または3週

  4.競技(規定の円内への戻り方に応じて点数化する)  ・・・・・・・・・・・・・・・  1週

化学   担当:高昌晨晴

  1.原子の構造と物性について      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.5

  2.分子の構造と物性について       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.5

  3.高分子の構造と物性について     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.5

  4.試験                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0.5

 

授業方法:

  生物学・化学では、学生は板書した講義内容をノートにまとめ、配布したプリント

により理解度を深め、ペーパーによる試験を行う。物理学では、配布したテキストによ

りブーメランの飛行理論を学習し、自ら設計を行う。設計図に従い、ベニヤ板を削りブ

ーメランを作成する。うまく飛ばない場合には、理論と合わせて理由を考察し改良する。

この過程を繰り返す中で、指導教官とあるいは学生同士で議論を行うこと。最終日には

規定の円内に戻ってくる競技を行い、結果を点数化する。アイデア、設計、改良過程を

記した報告書の提出を求め、競技、報告書により評価を行う。

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カリキュラム中の位置づけ:

  技術者にとって科学は単なる教養ではなく、考え方の基礎となる学問である。技術

に埋没しすぎると、ややもすると現象に対し結果のみを追い求め、理由や原因が疎かに

なることがある。これではせっかくの技術が生きたものとならない。因果関係の解明が

科学であり、科学的考察に基づいたアイデアこそ、技術を最も有効なものとする方法で

ある。技術者にとっての「科学」を教授する。

 

この科目を学ぶために先行して理解する必要のある科目:

  化学・生物学:高校過程の化学・生物学

  物理学:高専5年間で学習する物理学、数学、および日曜大工程度の工作法

この科目と同時に学ぶ関連科目:

  特になし

この科目の後に学ぶ関連科目:

  特にないが、科学的考え方は全ての技術科目に及ぶ

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評価方法:

  生物学、物理学、化学がそれぞれ30%ずつ配点ウェイトを持ち、10%を出席状況

に応じた配点とする。

  化学・生物学では、各担当教官が、試験・授業態度等を総合して評価する。

  物理学では、完成作品、飛行競技結果、報告書内容、授業態度を総合して評価する。

報告書には、設計思想、設計図、作品写真、飛行状況、考察と改良点、完成に至るまでの

これらの繰り返しの過程を記すこと。

定期試験実施方法:

  各教官の担当授業の時間内で行う。

 

連絡事項:

  理解困難な点は随時学習相談に応じる。物理学の製作過程においては、相当の考察と

手作業を必要とする。製作期間中は物理実験室を開放するのでTry and Errorに励むこと。

学生へのメッセージ:

  基礎的な教養から応用に至るまでの過程は、技術者としての素養を身につけるうえで

本来の専門と異なる分野の内容であっても、必ず役に立つ。まじめに学習すれば必ず理解

出来る。きちんと出席すること。また物理学においては、ものづくりにおける頭脳労働と

手作業のマッチングの楽しさ、およびTry and Errorによる達成感を味わって欲しい。

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