科目名 :人間と科学T(Cultural Science 1)[法学 Laws]
1単位 5年全科共通選択 前期
担当教官:岩佐富男
E-mail:t−iwasa@sannet.ne.jp
授業目的:1.現代社会における法とは何か?を問いつつ、法体系の全体像を理解する。
2.価値原理としての基本的人権をその根源に遡って学び、もって、組織原理としての三権分立の重要さを認識する。
3.近代市民法から現代社会法への変遷を理解する。
4.犯罪と刑罰についての刑法学理論を学ぶことにより、人間の理解を模索する。
5.民法、商法、労基法その他等日常生活に必要な法律を概観する。
達成目標:1.リーガルマインド(法的ものの考え方)を持てるように努める。
2.人が人を支配するのは法でしかないことを認識する。
3.法の根底にある普遍的価値たる正義=真理を理解する。
小山高専技術者教育プログラムの学習・教育目標:(C-1)
日本技術者教育認定機構基準1の(1)との関係:(a)(f)
教科書 :1.斎藤誠二編『演習ノート 刑法総論』全訂2版(法学書院)
2.岩波『コンパクト六法』平成16年版(岩波書店)
参考書 :1.岩佐富男著『法学講義』(多賀出版)
2.下村康正著『犯罪論の基本的思想 上下』(成文堂)
授業内容:1.法とは何か。法の源字及びRecht (Right )の分析により、法の本質を学ぶ。
2.2つの人権と3つの社会。市民法と社会法。1789年フランス革命からの近代的人権および1919年ワイマール憲法からの現代的人権の差異並びに国家と国民との関係を知る。
3.刑法学における潮流。客観主義(旧派)と主観主義(新派)という2大潮流とそれによる各分野での違いを学ぶ。
4.犯罪とは何か。構成要件に該当する違法、有責な行為とされる犯罪の成立要件の、それぞれの段階を学ぶ。
5.公務員試験問題演習。国家公務員試験の初級および中級問題の中から、法一般を中心に演習する。
達成目標に対する達成度の具体的な評価方法:試験およびレポート、発言状況を設定基準に基づいて評価する。
評価方法:特に事例(判例)を通してのレポート、リバッタル、およびディスカションを通してリーガルマインドの芽生えの発見に努める。したがって、@レポート30%、A定期試験50%、B発言意欲および内容20%で評価する。
キーワード:権利、義務、法、Recht、法令用語、法解釈、配分的正義
連絡事項:
1.基本的には講義中心となるが、演習的要素も入れて、mit lernen , mit leben を目 指す。デイベイトをしながら、論理力と問題把握能力を習得し、リーガルマインドの涵養を理想とする。
2.学習方法は
(1)予習ー予め、六法の条文を読んでおくこと。
(2)授業ー必ず授業に出席し、内容の理解に努める。
(3)復習ー講義ノートを見て、授業のポイントを認識すること。
3.法律学の勉強は、決して暗記ではありません。たとえ六法を全部暗記しても、司法試験は受かりません。いかに論理的、体系的に矛盾なく考えられるか、が大切なのです。身の回りのさまざまな問題を、法律上はどうなるのか?と、日頃、考えるように努力する。それは、やがて論理的思考へと通ずる。なぜ?、どうして?と、すなおな心で疑問を持ち、考えることが肝要です。自分の未来をみつめての意欲的な取組み姿勢を評価します。