平成27年度版 JABEE(技術者教育)プログラムの概要

平成27年度版(平成27年5月20日現在)

小山高専 技術者教育プログラム

(JABEEプログラム)

1.はじめに

2.本校の技術者教育プログラムが目指す技術者像

3.技術者教育プログラム名と学習・教育到達目標

4.学習・教育到達目標の概念図と構成図

5.学習・教育到達目標とJABEEの共通基準との対応

6.学習・教育の量の基準と授業時間

機械工学コース・機械工学科 (H26年度専攻科入学者用 )(H27年度専攻科入学者用)
電気情報工学コース・電気情報工学科 (H26年度専攻科入学者用 )(H27年度専攻科入学者用)
電子制御工学コース・電子制御工学科 (H26年度専攻科入学者用)(H27年度専攻科入学者用)
物質工学コース・物質工学科 (H26年度専攻科入学者用 )(H27年度専攻科入学者用)

7.プログラムの履修対象者

8.プログラムの修了要件

9.他の高等教育機関等で取得した単位の認定方法

10.各学科の教育プログラムを越えて取得した単位の認定方法

11.小山高専の教育点検システム

 

 


小山高専 技術者教育プログラム(JABEEプログラム)概要

 

 

1.はじめに

1999年(平成11年)に、産業界と工業系学協会が中心となって日本技術者教育認定機構(JABEE:Japan Accreditation Board of Engineering Education)が設立され、大学など高等教育機関で実施されている技術者教育プログラムが、社会の要求水準を満たしてるか、また国際的レベルである かどうかを審査、評価して認定する制度が発足しました。すなわち、JABEEは、国内の大学学部相当レベルの工学基礎教育の質とレベルについて、 JABEEが主として設定した下記のような共通基準(機械や電気・電子、化学、建築学などのさまざまな受審分野に共通する基準)に基づいて技術者教育プロ グラムを審査し、認定を行います。したがって、教育プログラムが認定されると、プログラムの品質が保証されるだけでなく、プログラムの修了生は社会的にも また国際的にも技術者に必要とされる工学基礎教育を修得したものとして保証されることになります。また、技術士第1次試験を免除されて「修習技術者」とな ることができます。

 

JABEEの学習・教育到達目標の共通基準

(a)地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養
(b)技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、および技術者が社会に対して負っている責任に関する理解(技術者倫理)
(c)数学、自然科学および情報技術に関する知識とそれらを応用できる能力
(d)該当する分野の専門技術に関する知識とそれらを問題解決に応用できる能力
(e)種々の科学、技術および情報を利用して社会の要求を解決するためにデザイン能力
(f)日本語による論理的な記述力、口頭発表力、討議等のコミュニケーション能力および国際的に通用するコミュニケーション基礎能力
(g)自主的、継続的に学習できる能力
(h)与えられた制約の下で計画的に仕事を進め、まとめる能力
(i)チームで仕事をするための能力

 

本校では、平成14年度よりJABEEの受審について検討を重ね、平成17年度を目途に認定審査を受ける準備を開始しました。そして、平成15年度内に技術者教育プログラムをほぼ策定し、平成16年度からプログラムを実施、運用しています。

 

 

2.本校の技術者教育プログラムが目指す技術者像

小山高専は、"技術者である前に人間であれ"を教育方針として開校以来人間教育に基づく実践的技術者の育成に努めてきました。しかし、近年の科学技術の高 度化、教育の高学歴化、高度情報化社会、産業や経済の国際化、そして地域社会に開かれた学校など、本校を取り巻く社会環境は大きく変化し、時代や環境変化 に即応できる技術者の育成が必要になっています。

本教育プログ ラムは、このような状況を考慮して、本校の伝統である豊かな人間性を育てる教育方針は堅持しつつ、高専の特長である早期専門導入教育に基づいた工学基礎お よび専門基礎教育の系統的で継続的な教育制度を生かし、地域社会や産業界の中だけでなく、21世紀の国際社会で活躍貢献できる個性と人間性豊かなより高度 の実践的能力を備えた技術者を育成することを目指しています。

image1

 

 

3.技術者教育プログラム名: 複合工学系プログラム

 

「複合工学系」教育プログラムは、上で述べたような技術者を育成するため、JABEEの基準を踏まえて下記のように具体的な学習・教育到達目標を設定しています。

 

プログラムの学習・教育到達目標

(A)科学や工学に関する基本的知識を習得し、専門工学分野の問題に応用して適切な解を求められる。

キーワード:科学や工学の専門知識

 

(B)問題点を把握し、俯瞰的な考察に基づく科学的方法を駆使しながら協働で作業し、主体的に結論を導く姿勢を保てる。

キーワード:問題解決能力とチームワーク

 

(C)数学および自然科学に関する基礎知識を習得し、それらを総合的に応用できる。

キーワード:数学と自然科学

 

(D)科学・技術が自然や社会に与える影響を、豊かな人間性を備えた技術者としての視点に基づいて理解できる。

キーワード:技術者倫理

 

(E)グローバル社会で通用する研究調査や実験の計画を適切に立てて結果を論理的にまとめ、外国語も用いて正確に他者に

     理解してもらうことができる。

         キーワード:コミュニケーション

 

 

4.「複合工学系」教育プログラムの学習・教育到達目標の概念図と構成図

 旧基準においては、本教育プログラムで設定した学習・教育到達目標(A)~(E)とJABEEの共通基準(a)~(h)の対応関係を持ち、実施されてきた。平成26年(2014年)より、新基準に変更し小目標が廃止され、学習・教育到達目標の大項目にのみに整理し、大項目で達成度の評価ができるようにした。旧基準の小項目の評価基準の単位数に関しては、新基準の学習・教育到達目標の到達基準に引き継がれ、小項目の評価基準の内容に関しては、科目ごとの評価基準に引き継がれ、それぞれの科目のシラバスに記載されている。ルーブリック評価を増やし、さらに明確な評価基準で評価を行っている。さらに、PBL科目の増加などを行っている。

 

 新基準に対応するように、学習・教育到達目標(A)~(E)とJABEEの共通基準(a)~(i)の対応関係を持ち実施している。この、各学習・教育到達目標とJABEE基準の主な対応関係は以下のような概念図で示すことができる。図2は、計画・設定(Plan)した学習・教育到達目標(A)~(E)を実際に実行・運用(Do)し、その結果を評価・検証(Check)して改善(Action)し、再設定するという継続的活動のPDCAサイクルを表わしている。このPDCAサイクルの中で、学習・教育到達目標 (A)は主として基礎工学および専門工学知識(JABEE基準(d))と自主的、継続的学習能力(g)に、(B)は科学的方法を駆使しながら協働で作業し、主体的に結論を導く姿勢を保てるとし、工学知識(d)、デザイン能力(e)、および実行力や完遂能力(h)に関連し、チームで仕事をする能力(i)に関連する。(C)は、数学および自然科学に関する基礎知識とし、(c)の数学・自然科学に強く関連し、継続した学習(g)にも関連する。ま た、(D)については(a)物事を捉える能力と(b)技術者が負っている責任に関連する。(E)はグローバル社会での対応に関係し、専門的知識(d)やコミュニケーション能力(f)に関連し、このサイクルを繰り返して回るうちにJABEEの各基準を包含した各学習・教育目標の能力を身につけることを示している。

 

 なお、個々の学習・教育到達目標の達成度に対する評価方法は、具体的な特定科目の単位修得や科目群の中から必要修得単位数、および発表や報告書の提出等による評価基準にしたがって評価可能な方法をとっている。このことは、各科目の学習・教育到達目標とその評価方法を記したシラバスに反映されている。

PDCAstcle2014 

学習・教育到達目標のPDCAサイクル概念図

 

 

本教育プログラムは工学(融合複合・新領域)関連分野という審査区分でJABEEの認定審査を受けています。上記分野で修得すべき知識・能力は、共通基準で要求されている知識・能力以外に、基礎工学および専門工学の知識・能力が特定されており、特に後述の"8.プログラムの修了要件"の中の(5)のよう な広範囲の工学知識や能力が要求されています。

上記のことか ら、本教育プログラムは本科の全学科および専攻科の全専攻で一つのプログラムとして構成されており、JABEE教育プログラムと本科教育プログラムおよび 専攻科教育プログラムとの対応関係は下図のように示されます。すなわち、本科5年間の各学科のカリキュラムの上に専攻科2年間の各専攻のカリキュラムがあ りますが、その中で、JABEE教育プログラムは基本的には本科5学科の4,5年(プログラム前期課程)と専攻科1専攻の1,2年(プログラム後期課程) のカリキュラムで構成されています。ただし、上記審査分野に対応するために、専攻科5コースにおいて共通科目(プロジェクトデザイン、他)を開設し、修得できるようにしてあります。

 

Program2010

JABEE教育プログラムの構成図

 

 

 

5.教育プログラムの学習・教育到達目標とJABEEの共通基準との対応

本教育プログラムで設定した学習・教育到達目標(A)〜(E)とJABEEの共通基準(a)〜(i)の対応関係は、各教科、科目の授業要目(シラバス)に基 づいて下表のように関連付けられています。ここで、表中の◎は基準を主体的に含んでいる、○は付随的に含んでいる、という意味です。

 

Correspondence2014 2

 

無題 2

 

 

6.学習・教育の量のJABEE基準と授業時間

JABEEが要求するプログラムの学習・教育の量は下記の通りです。

(1)本科4,5年および専攻科1,2年の4年間の教育プログラムのカリキュラムにおいて、124単位以上を取得していること。
(2)本プログラムのカリキュラムは、人文科学・社会科学等(語学教育含む)を10単位以上、数学・自然科学・情報技術を10単位以上、および専門工学分野36単位以上を修得すること。

上記の学習・教育の量に対する本「複合工学系」教育プログラムの教科目名や修得単位、および授業時間は、各学科および各コースでそれぞれJABEE基準の授業時間数を満足するように構成されています。

(各学科および各コースの授業時間の表については、下記をクリックして下さい。)

 

機械工学コース・機械工学科 (H26年度専攻科入学者用 )(H27年度専攻科入学者用)
電気情報工学コース・電気情報工学科 (H26年度専攻科入学者用 )(H27年度専攻科入学者用)
電子制御工学コース・電子制御工学科 (H26年度専攻科入学者用)(H27年度専攻科入学者用)
物質工学コース・物質工学科 (H26年度専攻科入学者用 )(H27年度専攻科入学者用)

 

 

 

7.プログラムの履修対象者

本教育プログラムは、本科4,5年および専攻科1,2年の4年間のカリキュラムで構成されていますので、プログラム履修対象者は4年次に進級した時点で全 員が対象者となる可能性を持っています。しかし、本科5年卒業後に就職する者、また、大学に編入学あるいは別の高等教育機関に進学する者もいますので、最 終的な履修者の登録決定は専攻科入学時点で行います。

ただし、 本科5年卒業後に就職希望する者も、将来社会人選抜試験で専攻科に入学する場合はプログラム履修者になることになります。また、大学へ編入学する場合も、 編入学先の大学が設定する技術者教育プログラムの履修対象者になる可能性が極めて高いので、本科4,5年時でのプログラム履修が必要とされます。

 

 

        

8.プログラムの修了要件

本教育プログラムを修了するためには下記の要件を満たす必要があります。

      2014年度(H26年度)以降の専攻科入学者対象

(1)学士の学位を取得すること。
(2)専攻科において62単位以上修得し、専攻科を修了すること。
(3)専攻科および本科4,5年を含めて計124単位以上修得すること。
(4)専攻科および本科4,5年において、人文科学・社会科学等(語学教育含む)10単位以上、数学・自然科学・情報技術10単位以上、および専門工学分野36単位以上修得すること。
(5)専攻科および本科4,5年において、プログラムが設定する次の基礎工学に関する科目群の中から少なくとも1科目、合計6科目以上の単位を修得すること。
          ① 設計・システム系科目群、②情報・論理系科目群、③材料・バイオ系科目群、
          ④力学系科目群、⑤社会技術系科目群
(6)プログラムが指定する下記の必修科目12単位(6科目)以上を修得していること。
          ①システムデザイン、②環境技術、③技術者倫理、
          ④経営工学、⑤プロジェクトデザイン、⑥産業財産権
(7)次表に示す本プログラムの五つの学習・教育到達目標について、目標の到達基準をすべて満たすこと。
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なお修得とは、各科目のシラバス記載の各到達目標が、明示された評価方法により60%以上達成されていると認められたうえで、科目として合格することである。

 

    

    

9.他の高等教育機関等で取得した単位の認定方法

他の高等教育機関等で取得した単位の認定については、つぎの2つの場合に分けられます。

A.本校の本科4,5年次および専攻科1,2年次に在学中に、他大学などで取得した単位の認定
 
B.他の高等教育機関等からの本校の専攻科に入学してきた学生が取得した単位の認定

 

A.本校の本科4,5年次および専攻科1,2年次に在学中に、他大学などで取得した単位の認定

本校の技術者教育プログラム履修対象期間(本科4,5年次および専攻科1,2年次)に他大学などで取得した単位の認定は、つぎのようにします。なお,放送大学で取得した単位は認めていません。

1.該当する学生は、つぎの資料を提出する。

(1) 単位認定願い
(2) 成績証明書あるいは単位取得証明書
(3) シラバス(授業要目)または内容が示せるもの、教科書・ノート等

2.提出された資料について、つぎの基準を満たす場合には、本校の技術者教育プログラムの該当する科目として認める。

a)修得した単位の科目のシラバスと本校の技術者教育プログラムの該当科目のシラバスを照合し、その評価が60点以上の科目については,本校の教育プログラムの単位および学習保証時間として認める。
b)本校の教育プログラムに掲げられた科目群に該当しない科目については本プログラムの単位として認めない。
c)本科4,5学年では、高専(履修)単位科目の場合は講義時間25時間あたり1単位とし、大学(学修)単位科目の場合は講義科目については12.5時間、演習科目については25時間、実験・実習科目については37.5時間あたりそれぞれ1単位とする。
専攻科の科目は、すべて大学(学修)単位科目である。

3.認定する単位数は、本校の技術者教育プログラムにおいて、12単位を超えないものとする。

4.単位の認定については、本校の技術者教育プログラム委員会において審議し、校長が単位を認定する。

 

B.他の高等教育機関等からの本校の専攻科に入学してきた学生が取得した単位の認定

他の高等教育機関等からの本校の技術者教育プログラムを履修する学生(専攻科入学生) については、出身の高等教育機関等がJABEEの認定校であるどうかにかかわらず、つぎのとおり取り扱うものとします。

1.該当する学生は、専攻科入学時に、つぎの資料を提出する。

(1) 単位認定願い
(2) 成績証明書あるいは単位取得証明書
(3) 履修内容およびシラバス(授業要目)

2.提出された資料について、つぎの基準を満たす場合には、本校の技術者教育プログラ ムの該当する科目として認める。

a) 出身の教育機関のカリキュラムと本校の技術者教育プログラムと照合し、教育プログラムに掲げられた科目群に該当する科目については,その評価が60点以上 の科目については,本校の教育プログラムの単位および授業時間として認める。ただし、高専(履修)単位科目あるいは大学(学修)単位目としての講義時 間が確保されていること。
b)本校の教育プログラムに掲げられた科目群に該当しない科目については本プログラムの単位として認めない。

3.単位の認定については、本校の技術者教育プログラム委員会において審議し、校長が単位を認定する。

 

また、他の高等教育機関等からの本校の専攻科に入学してきた学生については、学修上、つぎのことを配慮します。

1.本校の技術者教育プログラムで必要とする人文科学、社会科学及び外国語、数学・自然科学・情報技術、基礎工学、専門工学等の分野において単位不足の科目が存在する場合、不足する単位を特別に開講する授業や平常授業の受講により修得しなければならない。
2.対象となる科目 : プログラムの科目のうち、第4学年及び第5学年の開講科目に対して単位認定が受けられなかった科目
3.単位の認定 : 該当する科目については、受講して、試験の合格をもって本校の技術者教育プログラムの単位として「専攻科の授業科目の履修等に関する規程第8条4項」にもとづいて認定する。

 

 

 

10.各学科の教育プログラムを越えて取得した単位の認定方法

平成22年度以降、専攻科は複合工学専攻の1専攻5コース制になり、専攻共通(必修)科目はもちろん、それ以外の科目も受講できます。ただし、受講条件を設けている科目がありますので、他コースで開講されている科目の受講の可否については事前の確認が必要です。他コースで開講されている科目を受講し、単位を取得すれば、JABEE対応のプログラムとして認め、授業時間に加えることができます。

 

 

 

 

11.小山高専の教育点検システム

技術者教育プログラムの学習・教育到達目標の設定やカリキュラム、教育方法および教育環境等の改善向上を図るための教育点検システムおよび改善システムの流れは 下図のように示されます。教育点検システム全体は基本的に会議や室、委員会群から構成されており、主に次の七つの機能に大別されます。

① 企画戦略会議による全体の中期計画の策定を行う機能
② 運営会議,教職員会議,各学科会議が果たす機能
③ 教務委員会、専攻科委員会、JABEE専門委員会および地域連携共同開発センターが果たす機能
④ 入学者対策室が果たす機能
⑤ 点検評価委員会が果たす機能
⑥ 教員、技術職員および学生全体が果たす機能
⑦ 外部評価委員会が果たす機能

 

 

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