Department of Architecture. National Institute of Technology (KOSEN), Oyama College |
●建築学科の概要
小山工業高等専門学校建築学科は,開校5年後の昭和45年4月に設置されました。昭和50(1975)年3月の第1期卒業生以来,毎年40名程度の卒業生を世に送り出しています。
5ヶ年一貫の高等教育機関としての高等専門学校は全国に国立で51校55キャンパス(国立51,公立3校,私立4校)ありますが(2024.4月時点),建築学科が設けられている工業高専は,少なく10数校に過ぎません。
とくに首都圏を含む関東甲信越で建築学科をもつ高専は,わが小山高専だけなのです。そのため建築学科の学生も,栃木,埼玉,茨城、群馬をはじめ,東京、千葉,神奈川,静岡,新潟の各都県から集まってきますし,求人(就職)も首都圏の企業が大半を占めています。
現在,小山高専建築学科には5学年約200人(内女子が約40%、40名1クラスの13〜25名程が女子です)の学生が学んでいます。低学年は一般科目が中心となり,高学年になるほど専門科目が多くなります。建築学科では,その専門学科を10〜9人の専任教員と数名の非常勤講師が担当しています。
建築学科の教員一覧と担当科目と役割
建築学科の研究室 はこちらいずれも各分野の専門的な知識を身につけた教育・研究者で,常に最新の情報や研究成果を提供できる体制になっています。さらに,教育設備の充実もはかられており,各種実験機器や製図,視聴覚器材,コンピューター機器などを備えて,実験,実習を重視した教育に対処しています。
・卒業研究題目一覧 はこちら
なお,高専を卒業すると,就職あるいは進学(大学3年時編入)が待っています。同時に建築学科の場合は,2級建築士および1級建築士の受験資格が取得した科目・単位により得られ,建築士への道も開けます(通常1級,2級建築士は大学卒業後の受験資格なので,年齢的に高専卒は有利です)。
●建築学科・専攻科建築学コースで学ぶこと。
建築の原点は「人間の生活」です。そして,豊かな生活を実現するために,よりよい「住まい」と,「環境」を追求するのが建築学のねらいなのです。 建築学科では,そのための技術や理論,(実践)方法の獲得を目指していますので, 単に工学だけでなく,社会科学,人文科学,さらには芸術の分野にまでおよぶ幅広い学習が必要となります。
こうした広い分野の知識を統合化し,建築空間としてまとめあげるのが「建築設計・製図」です。建築学科の専門科目は,この「建築設計・製図」を中心に,「計画」、「歴史・意匠」、「環境・設備」、「構造」、「材料・施工」、さらに「工学基礎」のそれぞれの柱からなっており,それぞれ段階的に配列し関連を持っています。
授業内容も,より確実に理解できるように演習,実験,実習を重視していますが,グループワーク形式も取り入れ,単なる詰め込みではない,生きた学習を行っています。
最終学年では,これまでの総仕上げとして卒業研究を課しています。卒業研究では,一つのテーマにそって学術的な研究を体験する中で専門性を深め,それまでに学んだデザイン,構造,設備などの各知識と技術を総動員して,研究や設計をまとめる訓練を行います。「幅広い視野を持った専門家」であることが,これからの建築家や技術者を求められているからです。
(参考)*:リンク先「学生便覧」ページ番号をご覧ください。
・本科の専門科目の授業内容(シラバス)
・本科の開設単位表*p.57、科目流れ図*p.58
・専攻科の授業内容(シラバス)
・専攻科の開設単位表*p.60-61、科目流れ図*p.65
本校専攻科では,学科課程の5年間一貫教育の特徴を活かしながら,更に2年間の教育により高度の学問と技術を志向し,問題提起と実践的な解決能力を身につけた技術開発型技術者の育成を目的としています。そのため,本校専攻科では,
1.高度技術教育
2.情報教育
3.国際化教育
4.実践的技術者教育
5.社会人教育を教育目的とします。
なお,勉学や研究の問題意識を深めるために企業等においての実務研修を実施します。
修業年限は2カ年,修了要件は,62単位以上修得のこととなっており,教育課程は「一般科目」,「専門基礎科目」及び「専門科目」で構成されています。専攻科を修了するためには「一般科目」が6単位以上,「専門基礎科目」が4単位以上,「専門科目」を建築学専攻では48単位以上修得する必要があります(合計62単位以上修得)。
・専攻科の授業内容(シラバス)
・専攻科の開設単位表*p.60-61、科目流れ図*p.65高等専門学校卒業生等が本校の専攻科で2年以上にわたり62単位以上を修得し,学位授与機構の審査により大学を卒業した者と同等以上の学力を有すると認められた場合は,学士の学位を取得できます。
2001年度から本校に,専攻科棟(名称:テクノ棟)が完成し,勉学に勤しんでおります。
2010年度からは専攻科をひとつにして、「複合工学専攻」となり、5コース制となりました。建築の学生は「建築学コース」となる科目を選択して学びます。
●建築学科の専攻科
専攻科建築学コースでは,主として建築学科を卒業した学生に対し,高専で修得した専門性を活かした応用力の育成を主眼とし,専門科目,特別研究等を通して高度で科学的な学習はもとより,地域に密着した堅実で現実的な技術及び知識の取得を目指します。また,情報等の幅広い知識も得られるよう配慮しています。
・特別研究題目一覧 はこちら
専攻科生は、本科卒業後すぐに、(指定科目を修得していれば)1級建築士・2級建築士の受験資格があります。これは大学の22歳を卒業しないと受験できないことと大きな違いがあり、日本でこんなに早く受験できるのは高専卒業者だけです。つまり、専攻科生は、専攻科在学時に1級建築士を合格でき、それを持って就職活動や大学院への進学活動に望むことも可能です。小山高専専攻科生は毎年、2級建築士や1級建築士を受験しており、合格者が出ています。
2級建築士合格実績 学科合格者 合格者 2024年度 ? ? 2023年度 5(1) 2(1) 2022年度 4 2 2021年度 3 2 2020年度 4 0 2019年度 4 2 2018年度 0 0 2017年度 1 1 2016年度 1 1 2015年度 5 4 2014年度 5 0 2013年度 2 0 2012年度 5 1 2011年度 6 1 2010年度 3 2 2009年度 4 0 2008年度 3 1 2007年度 1 1 2006年度 7 2 2005年度 2 5 2004年度 6 3 2003年度 不明 不明 2002年度 不明 不明 2001年度 不明 (1) 2000年度 不明 不明 1999年度 不明 不明 2級建築士合格者数を示す。(数値)は1級建築士合格者数を示す。
小山高専 建築学科
|