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平成 16年 第3回 一般科 佐藤巌

「小山の歴史」

 10年前に遡りますが、小山高専に赴任してやっと学校に慣れてきた頃、ふと、昔の小山はどんな処だったのだろうかという疑問が浮かび、小山の歴史を知りたいと漠然と思うようになりました。

 程なく、進駸堂(10年前は城東にありました)に行った処、松島先生が編集した、「鷲城」、「寺野東遺跡」保存の冊子2冊を見つけたので、購入して読んで、小山の歴史について、断片的なことを知ることができました。歴史的価値は寺野東遺跡の方が上ですが、小山という地名を残した、鷲城の主である小山氏に大いに興味をそそられました。その後、城山公園を歩きましたが、その面積の広いこと。小山氏はかなり大きい氏族だったようです。

 ある日、床屋で順番待ちをしていると「中世小山の歴史」という漫画本があった(何故、こんな漫画本が出版されたのか、不思議です)ので、読んでみたら、漫画でありながら見事なもので、小山氏のことが事細かに書いてありました。小山氏の初代政光の妻が、寒河尼といい、源頼朝の乳母をした人で、小山氏は鎌倉幕府を代表する大豪族であることを知りました。

 もっと正確なことが知りたいと思って月日が経ち、とうとう「栃木県の歴史」という本格的な本を見つけました。それによると、小山氏は、あの有名な平将門を成敗した、藤原秀郷の直系に当たる家柄で、小山、栃木、結城、二宮一円を支配し、鎌倉、室町時代の大いに名を馳せた豪族でした。小田原合戦のとき、北条方についたため、運悪く、廃絶させられてしましたが、小山に定着してから、約500年続きました。

 最近は、小山市の広報紙でも小山氏の歴史を連載していますので、詳しく知ることができます。

 小山市は歴史的に由緒ある処ですので、かつての小山氏の栄光の再来となるような、さらなる発展を期待したいと思います。

(一般科  佐藤 巌)
「高専だより No.132 掲載」