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酸化亜鉛バリスタの前降伏ー降伏領域の境界電圧の測定

酸化亜鉛バリスタは高い非直線的な電気的性質を示す素子であり、その物性に関してこれまでに数多くの研究が行われています。酸化亜鉛バリスタは前降伏領域と 呼ばれる印加電圧の低い範囲において高い抵抗を示し、わずかな漏れ電流のみが流れます。電圧がある値を超えたときバリスタは高い伝導性を示すようになります。こ の領域は降伏領域と呼ばれます。この前降伏領域と降伏領域の境界電圧を決めることは困難で、通常バリスタ電圧と呼ばれる1 mAにおける電圧の値をその目安として用いています。
降伏領域内において電流―電圧特性を繰り返し測定した場合、繰り返し回数の増加とともに電流の値は小さくなり一定の値に近づきます(Fig. 1)。降伏領域まで測定すると、繰り返し回数の増加とともに低電圧域における電流の値が大さくなります(Fig. 2)。この違いに着目して、電圧印加直後に降伏領域内のある電圧における電流値測定を、印加電圧を増加させながら繰り返しました (Fig. 3)。測定結果から、電流値が減少して一定になった領域は前降伏域、増加している領域が降伏領域であるのことがわかるので、境界電圧を求めることができます.
この測定法を用いて、酸化亜鉛バリスタの添加物と境界電圧の関係を調べています。

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