用語 | 略語 | 英訳 | 意味 |
アナモックス | Anammox | anaerobic ammonium oxidation | 嫌気性アンモニウム酸化法。Anammox細菌は,独立栄養細菌であるため有機物を必要としない,廃水全量の硝化が不要であり,嫌気性細菌であるため酸素を必要としない,増殖収率が低いため余剰汚泥の発生量が少ない,温室効果ガスであるN2Oガスを放出しないといった利点を持っている。 NH4+ + 1.146NO2− + 0.071HCO3− + 0.057H+ → 0.986N2 + 0.161NO3−+ 0.071CH2O0.5N0.15 + 2.002H2O ※生物化学的量論式は諸説ありますが、現在この式が良く用いられています。 出典:T. Lotti et al.,Wat. Res.,60,1 (2014) |
汚泥 (スラッジ) | 特に無し | Sludge | 水に沈む泥状の物質を示す。「活性汚泥(Activated Sludge)」として使用される場合は、生物処理を行う微生物群のこと。 |
化学的 酸素要求量 |
COD | Chemical Oxygen Demand |
汚水に酸化剤を用いて、酸化剤に含まれる酸素をどのくらい消費するかということを数値化して、汚染度を示す値である。酸化剤として、過マンガン酸カリウム、もしくは、重クロム酸カリウム(二クロム酸カリウム)を使用する。 →JIS K0102より |
下水道 | 特になし | Seawage | 家庭などから出る汚れた水が流れる水路のことをさす。 |
懸濁浮遊物質 | SS | Suspended Solids | 水中の粒径が約2mm以下の浮遊固形物。汚染度の高い廃水では有機態のSSの割合が高くなる。 |
混合液懸濁 浮遊物質 |
MLSS | MixedLiquor Suspended Solids | 活性汚泥曝気槽中の活性汚泥濃度[mg/L]。活性汚泥槽内のSS濃度のことで、活性汚泥の微生物(群)濃度の推定値として使用される。実験的に求める場合は、乾燥重量として求められる。 |
酸化還元電位 | ORP | Oxidation Reduction Potential | 装置内の微生物反応について、好気(+方面の値)もしくは嫌気(−方面の値)を調べる項目である。単位は[mV]。現場では、簡易センサーで測定されることが多い。発酵反応は低い値を要求する。 |
上水道 | 特になし | Water supply | 飲用が可能な水(いわゆる水道水)の公共的な供給設備一般をさす。 |
スカム | 特に無し | Scum | 水面に浮いている泥状の物質を示す。 |
生物化学的 酸素要求量 |
BOD | Biochemical Oxygen Demand |
水中の好気性微生物によって、消費される溶存酸素量である。試料を希釈して、20℃で5日間放置した時に消費された溶存酸素量で示される(BOD5)。 →JIS K0102より |
全有機炭素 | TOC | Total Organic Carbon | サンプル水(廃水)中に溶け込んでいる有機性の炭素量のこと。BODやCODによる判断はサンプル水の状態や測定時の条件によってバラツキが見られることから、採用され始めたデータである。全炭素量(TC)を測定し、TCから無機炭素量(IC)を差し引いた値として得られる。 |
n-ヘキサン 抽出物質 |
特に無し | nomal-Hexane Extract Substances | 家庭等からの排水中に含まれている、比較的揮発しにくい油状物質成分のこと。n-ヘキサンが油を溶解する性質を利用し、排水とn-ヘキサンを混ぜたあとにn-ヘキサンを揮散させてさせて残留物重量を測定する手法により分析される。 |
バルキング (膨化現象) |
特になし | Bulking | 活性汚泥による廃水処理時に、しばしば見られる困った現象。沈殿槽で処理水と活性汚泥の分離が出来ない状況をいう。原因として、糸状性細菌によるもの/曝気過多/滞留時間が長い等があげられる。 |
溶存酸素 | DO | Dissolved Oxygen | 水中に溶け込んでいる酸素量のこと。1気圧・20℃で約8.8 [mg/L]。DOセンサー等で測定可。廃水が多く流れ込む場所や、流れの無い湖沼ではDOが低くなりがちである。 |
グラニュール | 特になし | Granule | 微生物はある条件下(そこそこ高濃度高密度で、流動などがあると)、粘着物質により自己造粒現象を起こすことが知られている(集塊作用とも)。この粒をグラニュール(塊)という。メタン発酵などの嫌気下で多くの報告例があるが、好気でも生じる現象である。 |
メンブレンバイオ リアクター |
MBR | Membrane bioreactor | 生物化学的な廃水処理において、通常は固液分離(処理水と微生物群)に沈殿池(or沈降槽)を用いるのに対し、膜を処理槽に投入して、直接固液分離を行う手法である。高密度に微生物群を維持できることから、高負荷(廃水濃度が高い場合)にも耐えられ、省スペース化が可能な手法であるとされる。 |
特になし (訳しにくいです) |
SBR | Sequencing (or Sequential) batch reactor |
最初の回分培養が終了しても細菌を回収せずに、逐次的(次々)に同一の反応槽・細菌を用いて、回分培養を繰り返す処理方式である。Fill and Draw法(直訳すると、反応槽を満たす&引き抜く)とも言われることもあるが、SBR=Fill and Drawでは無さそうである。 |
上向流嫌気性汚泥 ろ床法 |
UASB | Upflow Anaerobic Sludge Blanket (Process) | 高濃度有機性廃水処理における嫌気的な処理方式である。一般には、グラニュールを反応槽に投入(保持)し、上向流(反応槽の下から上に流す)方式で廃水を流して、反応槽内に流動状態を作り(立ち上げ時にグラニュールで無くても形成可能)、処理を処理を行う。浮遊性の強い細菌が流出しにくく、高濃度高密度で細菌群を保持する手法の1つである。 |
細菌名 | 和名 | 英訳 | 反応式、役割 |
Nitrosomonas 属 | 亜硝酸菌 | nitrifying bacteria |
NH4+ + 1.5O2 → NO2‐ + H2O + 2H+ |
Nitrobactor 属, Nitrococcus 属 など |
硝酸菌 | nitrate bacteria |
NO2‐ + 0.5O2 → NO3‐ |
Pseudomonas denitrificans (有名な細菌) |
脱窒菌 | denitrifying bacteria |
2NO3‐ + 10H+ → N2 + 2OH‐ + 4H2O |
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