I hope you have a wonderful day and see you next time! :D
この英文は、あるアメリカ人が私に書いてくれたメッセージの締めくくりの言葉です。最後の:Dが何を意味するのか、皆さんご存じでしょうか。最近、授業で取り扱った内容なので、知っている人も多いと思います。これは、ABCDのDですが、そのように読むのではありません。
英語Ⅱの授業で桐原書店のHeartening IIという教科書を使っていますが、その中に、“Can You Feel Emotions in Text ?”というレッスンがあります。主に「顔文字」についての論証文なのですが、とても興味深い内容なので、ここに紹介したいと思います。このレッスンの中で、emoticonという単語がでてきますが、この語は、emotionとiconから成る言葉で、このレッスンの中では「顔文字」の意味で使っています。
今や顔文字や絵文字はソーシャルメディアなどで欠かせない存在となっています。文字だけのコミュニケーションでは、書かれた内容から感情を汲み取るのが難しい場合があり、それが誤解につながる可能性があります。そのような時、顔文字や絵文字を入れることで、相手の顔が見えない文字だけのやりとりの中でも、自分がどんな感情で言葉を書いているのかを巧みに表現できるようです。この顔文字ですが、国が異なれば使う顔文字も異なります。顔文字は主に二種類に分けることができます。横向き:)と縦向き^_^です。
日本人や韓国人は縦向きの顔文字を使うのが一般的です。英語圏の人びとは圧倒的に :) のような横向きのスタイルを使っています。興味深いことに、普段から英語を使用しているフィリピンやシンガポールなどのアジアの国々においても、横向きの顔文字が縦向きの顔文字よりも人気があるようです。 また、顔文字への注目の仕方が文化圏によって異なることにも注意を向ける必要があります。感情を解釈するとき、日本人とアメリカ人では、見る顔の部分が異なるというのです。研究者たちは、日本人は顔文字の目を見て感情を判断する傾向があり、アメリカ人は口をより注意して見ていることを発見しました。こうした研究結果から得られる情報を総合的に考慮に入れると、「Thank you! ^_^」という表現が表す気持ちは、アメリカ人に理解されない可能性があります。顔文字が縦向きであるだけでなく、目は笑っていても、口は笑っていないからです。
さらに、それぞれの文化は異なる感情の表現方法を持っています。例えば、恥ずかしさや当惑、困惑を表現するために、日本人は顔に汗が一滴たれている絵文字 ^_^; を使用することがありますが、このような種類の表現は縦向きの顔文字にだけ見られるものです。これらは横向きの顔文字を使う人々にとっては、まったくなじみがないもののようです。
最後に、このレッスンではもう一つの大事なことを紹介しています。人が顔文字の意味を理解するには、まず、顔文字を見たことあるという経験が必要なのだそうです。見たことがない人にとっては、それらが何を示しているのか全く理解できないとのことです。つまり、顔文字は誰にでも顔の表情に見えるわけではないのです。このレッスンでは、「顔文字は決して万国共通ではない」ことを説明していました。
ここまでの情報で、そのアメリカ人がくれたメッセージの最後の部分が何を意味するのかについて、もう、皆さんはお分かりであると思います。横向きの顔文字です。目は点で表現されていますが、Dで表されている大きめに開いた口が笑顔であることを伝えていて、とても素敵な顔文字だと思います。異文化コミュニケーションの重要性が言われている昨今では、言葉やジェスチャーだけでなく、顔文字や絵文字等でも、気持ちを伝えられることを、皆さんよくご存じと思います。その上で、英語圏の人々に顔文字を使ったメッセージを送る時は横向きにするということと、口の形に気を付けることで、こちらの気持ちをより理解してもらいやすくなるかもしれないことを、どうぞお忘れなく。
(一般科 有坂 夏菜子)