活性汚泥プラントの写真


 
道の端にある溝によって、廃水が集められます


 

集められた廃水は、まず左図の貯留タンクに入り、右図の大きなポンプで沈砂池に送られます。
(合流/分流式問わず)


  
沈砂池に入った廃水は、傾斜構造の槽でゆっくり流され、砂などの大きな粒子を沈殿させます。
この槽は底部に段差が付いており、沈殿した粒子が再び流れにくい構造になっています。
左図は数槽ある沈砂池の1つの全景、右図はそのアップ図です。流れは両図とも下から上です。



生活廃水には、たくさんの油分が含まれています。油分の迅速分解は非常に難しいです。
従って、水面に浮かせて集め、一定時間ごとに水面をかきとるバーによって集められます。

また、廃水は溜まっている間も微生物処理がゆるやかに進み泡立つこと、
更に、粒子が集まってスカムとよばれる油脂分や固形分の固まりを作ります。
その泡や固まりを崩すために、散水管より適宜放水を行います。


  
沈砂池で大きな粒子が取り除かれた廃水は、曝気槽に移送されます。
曝気槽は、茶色っぽい泥状の液体(汚泥)で満たされていますが、
この茶色の泥は普通の泥では無く、大量の微生物の集団です。
これらの微生物を観察するには顕微鏡が必要です。

曝気槽は別名『活性汚泥槽』や、『エアレーションタンク』とも呼ばれ、
撹拌作用を起こすぐらい、たくさんの空気が吹き込まれています(左右図の白いスジ状のもの)。
この中では、たくさんの微生物(群)が酸素を取り入れて、廃水を食べています。


  
一方で、し尿などの主成分である窒素・リンは、酸素を好む微生物(群)だけでは非常に処理しにくい物質です。
完全に分解するためには、空気が無い場所に住む微生物(群)にも手伝ってもらわなければなりません。
この微生物(群)が生息する場所を嫌気槽・無酸素槽と呼びます。
先ほどの曝気槽と無酸素槽、嫌気槽を循環させて窒素成分等を分解処理する方法を、
A2O方式(Anaerobic-noxic-oxic)方式と呼びます。

生物学的脱窒法は、一般に以下のように3種類の菌により進行するとされています。
Step1-2は酸素がある状態で進行しますが、Step3は酸素が無い状態で進行します。


リンは、嫌気槽で微生物(群)から放出された後、
曝気槽で放出分以上のリンが微生物(群)に吸収されます。
吸収した微生物(群)を集め、リンを回収しています。





次のページへ







前のページに戻る


Copyright (C) 2010
制作担当:田中孝国/小山高専・物質工学科
このページもリンク先の画像を含むファイル全ての著作権は、
小山高専 物質工学科にあります。
写真などは製作者が実際に撮影したものです。

引用するもしくはリンクする等の際は、必ずメールなどでご連絡下さい。
ご連絡頂けずに引用・リンクが行われた場合は、著作権侵害と判断致します。


ご要望、ご質問はこちらに
tanakatakakuni @ oyama-ct.ac.jp
(迷惑メール防止のため@を全角に、
前後にスペースを入れています)



トップページへもどる

直線上に配置