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タブレットで作る動画教材 - 第1回「動画作成の大まかな流れと構想」

投稿者:2G 加藤


技術室Web講座としては少し異色の内容かもしれませんが、教職員向けに、スマートフォンやタブレットで完結した動画教材の作成方法をご紹介します。


動画配信サイトを閲覧することは若者を中心に日常となり、またスマートフォンやタブレットが十分普及した現代においては、教育にも動画を活用することの重要性が高まっています。


既存の動画教材を利用するのも良いですが、自分の普段行っている授業へのこだわりであったり、かゆい所に手が届くようなピンポイントの説明を求めると、やはり自分で動画教材を作るしかありません。


また受講する学生にとっても、知らない人の声で説明されるより、見知った先生の説明のほうが集中して内容を受け取れるはずです。




なおタイトルには動画教材とありますが、動画の作成・編集方法自体はどんな動画であっても、そう大きく変わりませんので、初めて動画を作ってみようと思っている小中学生の方もぜひご覧ください。



動画作成の大まかな流れ


動画を作成する際の、大まかな流れは以下の通りになります。



  1. 構想

    • 何を説明するか、どんな動画にしたいか、長さはどのくらいか、出来るだけ具体的に計画を練る。
    • 場合によっては「絵コンテ」等を作成し、その後の作業に備える。


  2. 素材作成

    • 最終的な動画教材の材料となる、短いカットの動画素材や、静止画素材の写真やスライド、音声やBGM・効果音等を作成する。
    • インターネット等から著作権フリーの素材を集める方法もある。


  3. 動画編集

    • 動画編集アプリを使用して、集めた素材を一本の動画にまとめる。
    • アプリの機能で、音声の録音ができたり、字幕を入れたりできる。


これら3つの流れは、多少前後したり戻ったりすることはあれど、どんな動画作成においても必要なことです。


また、個人のちょっとした動画からハリウッドの映画に至るまで、あらゆる動画作成で同じように行われていることなので、強く意識しましょう。




動画の構想


動画作成の最初のステップとして、構想を練ります。


何を説明する動画なのか、どんな動画にするのか、動画の長さはどれくらいにするのかを、出来るだけ具体的に計画します。


この段階では、動画の想定する利用形態も重要になってきます。


例えば、対面授業や実験の中で上映して見てもらうのか? 予習や復習で授業時間外に見てもらうのか? 遠隔授業や休講の代替措置として普段の授業を動画化したものを配信するのか?


それぞれの利用形態によって、動画の長さや一本の動画の中で説明することの多さが変わってくると思います。


閲覧する学生の集中力が続くかどうかや、配信する場合は通信容量のことなども考えて、内容と動画の長さを構想します。



動画の構想


絵コンテの製作


構想は頭の中で行い、それを紙などに文章でまとめても良いのですが、動画作成において一番確実な方法は「絵コンテ」の形式にまとめる方法です。


絵コンテは映画やドラマ、アニメーション製作においてプロが採用する、実績のある方法です。


絵コンテは、作成しているうちに頭の中が整理され、シーンの過不足や無駄が整理されていく効果もあります。



特に、動画素材の撮影・録音を複数の人で協力して行う場合には、あらかじめ完成の形が決まっていた方が意思疎通が上手くいき、無駄にする時間が少なくなります。


一方で、個人で最後まで製作する場合には、絵コンテを作成するのは過剰と思うかもしれません。


そんな場合でも、次に紹介する「絵コンテ用紙」を使用して、絵は描かずに内容だけまとめるような利用方法も良いと思います。



絵コンテは専用の用紙に記入します。自由に使っていただけるPDFファイルを用意しましたので、ダウンロードして印刷し、ご活用ください。




PDFアイコン絵コンテ用紙のダウンロード(PDF A4 340KB)



絵コンテ用紙は、シーン数/カット数、画面/絵、内容の説明、セリフ、見込みの時間を書く欄があります。


これらをできるだけ具体的に書くと、後の素材制作や編集の時に「設計図」として機能し、スムーズに作業が進みます。


以下に記入例を示します。本来インターネットで大体的に公開するものではないので、お見苦しい点があると思いますが、「このくらい書けばOK」という参考になれば幸いです。


絵コンテ 1/2頁
絵コンテ 2/2頁


次回以降は、素材の作成と編集について説明します。ぜひご覧ください。






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