2025年8月8日に東京都市大学で開催された,一般社団法人日本加速器学会が主催する「第22回加速器学会年会 特別講演(公開講座)」に,小山高専 加速器製作同好会「アテーナ」が登壇しました。
「放課後に加速器!?~高専生,総合科学に挑む~」と題して,基礎化学・医療・産業など幅広い分野を支える先端・基盤技術である「加速器の作り方」を,加速器を製作中の高専(小山・豊田・長野・群馬・沖縄)の学生14名が合同発表を行いました。
当日は,まず加速器について簡単な紹介があり,その後,各高専の学生がそれぞれの製作進捗やこれからの計画について発表しました。小山高専の「アテーナ」は,手のひらサイズのサイクロトロン加速器についての設計から運転,さらに測定結果と考察を踏まえた追加実験の結果まで,学生の視点からわかりやすく,楽しく紹介しました。
会場には300名を超える加速器学会会員に加え,多くの大学生も参加。発表は「非常に楽しく,しかも発表時間も守って素晴らしい」と高い評価を頂き,その後は予定時間を大幅に超える活発な質疑と議論が繰り広げられました。
さらに午前中にはポスター発表も実施し,会場には常に多くの聴衆が訪れ,熱心な質疑と意見交換が続きました。
当日参加いただいた皆様には,心より感謝申し上げます。学生たちは,高専で学んだ工学の知識を,加速器を通じて実践的に体験しながら楽しく学んでいます。一緒に活動をサポートしてくださるメンバーを募集しています。
本プロジェクトは,高エネルギー加速器研究機構(KEK)の加速器科学総合育成事業「高専での加速器製作による次世代技術者育成」・KEK一般寄附金事業・総合研究大学院大学(総研大)社会連携事業の一環として,KEK,理化学研究所(理研),総合研究大学院大学(総研大)をはじめとする多くの研究所の加速器研究者および大学院生の協力を得て実施しているものです。また,JSPS科研費(25K21974)の助成を受けたものです。
発表の様子。多くの質疑と議論が繰り広げられ,本活動の注目の高さが伺えました。
午前中のポスター発表の様子
加速器学会会長(左写真中央)と前会長(右側手前)も来てくださいました。